ミランがバルセロナのロナウジーニョ獲得を熱望しているのは周知の事実だが、ミランのベルルスコーニ会長はロナウジーニョ獲得のために、クラブの若きスター、カカーを手放す覚悟もできている、と24日付けのバルセロナ地元紙“ムンド・デポルティーボ”が紙面トップで報じた。

「カカーとロナウジーニョの大型トレード」。これはベルルスコーニ会長の思索であり、来シーズンに向けて是非ともまとめたい契約であるという。グランデ・ミラン(偉大なミラン)復活に向け、ベルルスコーニ会長の青写真には「カカーとロナウジーニョのトレード」が描かれている上、このニュープロジェクトにはマルチェロ・リッピの監督招聘、そしてブッフォン(ユベントス)、カンナバーロ(レアル・マドリー)、カモラネージ(ユベントス)といったイタリアのワールドカップ優勝のキーマンとなった選手を少なくとも3選手は獲得することも含まれている。ミランは大々的な改革を行うつもりのようだ。

 この冬の移籍マーケットで獲得したロナウド、そしてロナウジーニョを加え、“RoKaRo(ロナウジーニョ、カカー、ロナウド)”トリオ結成を夢見ていたベルルスコーニ会長だが、さすがに経済的に無理があるのも事実。ロナウジーニョの違約金1億2500万ユーロ(約199億円)に設定されている上、バルサがロナウジーニョを手放すとなれば、それ相応の額を要求することははっきりしている。そこで、カカーとの交換トレード案にたどり着いたということなのだろう。つまり、ベルルスコーニ会長にとってロナウジーニョとはクラブの象徴になりつつあるカカーを手放してまでも欲しい選手ということなのだろう。

 仮にこのトレードが成功したとすると、バルサのライバルであるレアル・マドリーにとって大打撃となることは確か。レアル・マドリーのカルデロン会長は会長選出馬の際、カカー獲得を公約に挙げていた。その公約は未だに果たされていないが、諦めずにカカー獲得を狙っている。かといって、レアル・マドリーに大打撃を与えるという理由でバルサがこのトレード案を飲むことはないが・・・。

 ここ最近では体重増加報道で新たな批判にさらされるロナウジーニョ。チームの不調の原因が全て自分にあるようなスペインマスコミの報道に嫌気がさしているとも言われている。「カカーとロナウジーニョの大型トレード」を巡る噂は今後もますます過熱しそうだ。

(スペイン通信)