温暖化は人為的原因、日本人は煮炊きもダメ!(下)
2007年02月22日09時43分 / 提供:PJ
(中)からのつづき。10年前の1997年12月、わが国は議長国として「温暖化防止京都会議」いわゆる「COP3」を開催し、難産の末、温暖化防止の歴史のうえで特筆すべき「京都議定書」を採択した。議定書では南北問題など各国事情のあるなかで、なんとか法的拘束力のある温室効果ガスの各国別の削減目標値を定めたのである。その数値目標は2008年から2012年までの平均で達成することとなっている。まさに来年からの5年以内に目標値を達成する必要があるのである。この京都議定書はわずか2年前の2005年2月16日にロシア連邦の批准をもって発効した。
2002年の世界の炭酸ガスの排出総量は237億1000万tである。国別に内訳を見ると、米国が57億500万tで最大の排出国である。次に中国が34億7100万t、旧ソ連が22億8300万t、それに次いで日本が11億7800万tと、この4カ国で世界の炭酸ガス排出量の53%を占めている。ところが最大排出国の米国は2001年に「温暖化の原因が人為的か自然現象か科学的根拠がはっきりせず議論がある」として京都議定書の枠組みから離脱した。また中国も発展途上国との理由で削減対象国から除外されている。京都議定書でしばられる目標削減国に世界の炭酸ガス排出量の4割を占める米中二カ国が入っていないことの影響は、あまりにも大きい。
京都議定書では1990年の排出量実績から7%の削減(温室効果ガス)をするとした米国は、2002年の実績で見ると90年比で逆に17.6%(炭酸ガス)もの大幅な増加を見せている。一方、中国も90年比40.9%(同)増と傍若無人振りを見せている。この議定書の枠外の二国で目標基準年である1990年から2002年までに世界で増加した炭酸ガス排出量の実に61%もの量を占めているのである。この両国が温暖化防止のために温室効果ガスの排出量削減にしっかりとコミットしない限り、地球環境の破壊を止めることは不可能と言っても過言ではない。温暖化の原因が人為的活動にあると科学的根拠で示された今日、温暖化防止にこの両大国が本気で取り組まねばならぬことは、全人類いや地球上の生物に対する重大な責務であると言ってよい。
そして歴史的な京都議定書をまとめ上げたわが国であるが、定められたのは1990年実績比6%の削減目標である。それに対し実際は1990年の炭酸ガス排出量10億7500万tから逆に2002年は11億7800万tと9.6%の増加となっている。米中両国を非難などとてもできぬ体たらくである。しかも日本は議長国として各国を説得した立場にある。その国が結局、無理でした、6%の減少どころか10%も増えてしまいましたでは、お話にもならぬ。国際社会におけるリーダーとしての見識と実行力を疑われても仕方のない仕儀である。
目標達成のためには、02年実績より排出量は1億6800万t、比率は14.2%もの削減を、しかも今後5年間の平均値として削減しなければならぬ。この数値がどれほどのものかと言うと、わが国の家庭部門、つまりわれわれが日常生活を送るため使用するガス・電力等から発生する炭酸ガスの量がまさに1億6600万トン(2002年実績)である。極論すればわれわれが煮炊きもせずに死することでしか解決策はないとも言える。でなければ産業部門(4億6700万t)の36%もの経済活動をストップさせることでもある。
政府はつい2年前の平成17年4月に時の小泉総理を本部長とする「チーム・マイナス6%」と銘打った地球温暖化防止「国民運動」の推進キャンペーンのキックオフを行った。その対応の遅さとクール・ビズやウォーム・ビズといってはしゃぐ様は滑稽ですらあった。そして閣僚のクール・ビズのファッションはどうかなどと大手メディアも騒ぎ回っていたが、事柄の本質をあまりにも理解せぬ国やメディアの危機意識の欠如に、もはやわたしは腹立たしさを超えて自嘲するしかない。国民に温暖化効果ガスの現状排出量すら周知徹底させず、着衣の工夫程度で事済むと誤解させる、その意識こそが政府や大手メディアが温暖化の本当の恐さに鈍感、いや無知であることの証左であるとしか思えぬ。
そしてそれを自分自身に納得させねばならぬことは、国民としていや地球上で命を紡ぐ生物としてあまりにも悲しく、むなしいことである。【了】
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2002年の世界の炭酸ガスの排出総量は237億1000万tである。国別に内訳を見ると、米国が57億500万tで最大の排出国である。次に中国が34億7100万t、旧ソ連が22億8300万t、それに次いで日本が11億7800万tと、この4カ国で世界の炭酸ガス排出量の53%を占めている。ところが最大排出国の米国は2001年に「温暖化の原因が人為的か自然現象か科学的根拠がはっきりせず議論がある」として京都議定書の枠組みから離脱した。また中国も発展途上国との理由で削減対象国から除外されている。京都議定書でしばられる目標削減国に世界の炭酸ガス排出量の4割を占める米中二カ国が入っていないことの影響は、あまりにも大きい。
京都議定書では1990年の排出量実績から7%の削減(温室効果ガス)をするとした米国は、2002年の実績で見ると90年比で逆に17.6%(炭酸ガス)もの大幅な増加を見せている。一方、中国も90年比40.9%(同)増と傍若無人振りを見せている。この議定書の枠外の二国で目標基準年である1990年から2002年までに世界で増加した炭酸ガス排出量の実に61%もの量を占めているのである。この両国が温暖化防止のために温室効果ガスの排出量削減にしっかりとコミットしない限り、地球環境の破壊を止めることは不可能と言っても過言ではない。温暖化の原因が人為的活動にあると科学的根拠で示された今日、温暖化防止にこの両大国が本気で取り組まねばならぬことは、全人類いや地球上の生物に対する重大な責務であると言ってよい。
そして歴史的な京都議定書をまとめ上げたわが国であるが、定められたのは1990年実績比6%の削減目標である。それに対し実際は1990年の炭酸ガス排出量10億7500万tから逆に2002年は11億7800万tと9.6%の増加となっている。米中両国を非難などとてもできぬ体たらくである。しかも日本は議長国として各国を説得した立場にある。その国が結局、無理でした、6%の減少どころか10%も増えてしまいましたでは、お話にもならぬ。国際社会におけるリーダーとしての見識と実行力を疑われても仕方のない仕儀である。
目標達成のためには、02年実績より排出量は1億6800万t、比率は14.2%もの削減を、しかも今後5年間の平均値として削減しなければならぬ。この数値がどれほどのものかと言うと、わが国の家庭部門、つまりわれわれが日常生活を送るため使用するガス・電力等から発生する炭酸ガスの量がまさに1億6600万トン(2002年実績)である。極論すればわれわれが煮炊きもせずに死することでしか解決策はないとも言える。でなければ産業部門(4億6700万t)の36%もの経済活動をストップさせることでもある。
政府はつい2年前の平成17年4月に時の小泉総理を本部長とする「チーム・マイナス6%」と銘打った地球温暖化防止「国民運動」の推進キャンペーンのキックオフを行った。その対応の遅さとクール・ビズやウォーム・ビズといってはしゃぐ様は滑稽ですらあった。そして閣僚のクール・ビズのファッションはどうかなどと大手メディアも騒ぎ回っていたが、事柄の本質をあまりにも理解せぬ国やメディアの危機意識の欠如に、もはやわたしは腹立たしさを超えて自嘲するしかない。国民に温暖化効果ガスの現状排出量すら周知徹底させず、着衣の工夫程度で事済むと誤解させる、その意識こそが政府や大手メディアが温暖化の本当の恐さに鈍感、いや無知であることの証左であるとしか思えぬ。
そしてそれを自分自身に納得させねばならぬことは、国民としていや地球上で命を紡ぐ生物としてあまりにも悲しく、むなしいことである。【了】
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パブリック・ジャーナリスト 野田 博明
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