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 各ゲームがバレンタインイベントを展開する2月第2週。好意がモノの形で表されるバレンタインは、ゲームと相性のよいイベントである。人との触れあい、感謝の気持ち、モノのやりとり。MMORPGの醍醐味が一通り揃っているといってもいいだろう。読者諸兄が定住しているMMORPGでは、バレンタインはどのようにイベント化されているだろうか。そして、盛り上がりはあるだろうか。ゲーム化しやすいイベントだけに、運営サイドがそのMMORPGをどのようなものとして捉えているかが分かりやすいのではないだろうか。

 今週は2つのゲームが終わりを告げることとなった。一つは「ファンタシースターオンライン(PSO)」。ドリームキャスト版とゲームキューブ版が6年の寿命を終えて眠りにつく。オンラインゲームの世界で6年というのはかなりの長寿。人間に例えるならば、天寿を全うした大往生といえるだろう。ドリームキャストは単体でインターネット接続が可能な優れたハードだった。それだけに、「PSO」にオンラインゲームのイロハを教えてもらったプレイヤーも多いのではないだろうか。家庭用ゲーム機におけるMORPGの先駆けとなったゲームゆえに、アイテムの複製や改造ツールを使った不正など、トラブルも多かった。オフラインであれば「プレイヤー一人が近道をした」だけのことである改造ツールだが、オンラインになった瞬間に問題は複雑となる。風紀紊乱やプレイヤーの士気低下、ゲームの短命化など、その弊害は計り知れないものがある。「PSO」は家庭用ゲーム機の世界において「人と人が関わること」を最初に考えさせてくれたタイトルとも言えるだろう。「PSO」の世界はある意味不滅である。なぜならハードが動く限り、オフラインでのゲームが楽しめるからだ。甲子園の砂、おみやげのキーホルダー、記念のペナントなど、人は思い出のモノを集める生き物である。「PSO」の場合は手元にゲーム機とゲームソフト本体が残っている。そうした意味において「PSO」の思い出は、色あせず語り継がれていくことだろう。

 もう一つは「墨香オンライン」。こちらはサービス終了ではなく一時停止だが、韓国とのバージョン統合に伴い、キャラクターデータが消去されることとなった。サービス自体は「4月上旬」から再開される予定となっており、サービスの停止期間は一ヶ月程度になる模様だが、これは事実上の世界の終わりといっても差し支えないだろう。2006年4月の正式サービス開始から約1年が過ぎている。サービスが再開したとしても、苦楽を共にしたデータはそこにはない。キャラクターの名前や装備、果てはインベントリーでのアイテムの並び方にさえ思い出がある。もちろんキャラクターデータの消去は断腸の思いでの決断だろうが、深く思い入れたプレイヤーほど喪失感は深いはずである。この消去に関しては、キャラクターのレベルに応じた補償が行われることとなっている。レベルが高いほど高額の補償額がもらえるのは合理的だが、合理的であるが故に感情を納得させるのは難しい。定量化するということはある種の危険を含んでいる。MMORPGのプレイは数字(ポイント)として換算されるものなのか。低レベルキャラクターのオーナーと高レベルキャラクターのオーナーには差違があるのか。もちろん、高レベルに育てるために投じた時間と消費した課金アイテムを考慮した決定であり、合理的な数値であることは確かである。しかし、キャラクターの価値、プレイに投じた時間の価値というのはレベルが全てなのだろうか。ゲーム内において、レベルと利権を追求するのが韓国ゲームの特徴である。であるならば、韓国ゲームである「墨香オンライン」がデータ消去に際してレベルを基準とした補償をするのは韓国式としては正しい。しかし、日本のプレイヤーにはどうなのか。韓国式でいいのか、それとも別の評価軸での補償が必要となるのか。全ては4月からのサービス再開後、市場が判断することとなるだろう。

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