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富岡製糸場、世界遺産認定へ。群馬県富岡市の地域再生なるか?

2007年02月06日09時51分 / 提供:PJ

pj
富岡製糸場、世界遺産認定へ。群馬県富岡市の地域再生なるか?
最盛期の富岡製糸場風景。(展示写真を撮影:今藤泰資) 写真一覧(5件)
1月23日、文化庁は新たな世界遺産として、富士山(静岡、山梨)、飛鳥藤原の宮都群とその関連資産群(奈良)、長崎の教会群とキリスト教関連遺産(長崎)などに加え、絹産業遺産群として富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬)の4件を、国連教育科学文化機関(ユネスコ)へ追加申請すると発表した。昨年11月末までに申請のあった24件の内の4件を暫定的に決めたが、正式認定までには早くて3年かかるとされている。

 明治の初め、わが国主要産業であった絹糸輸出には品質のばらつきが多く、政府として安定的な供給を果たす必要に迫られ、官営製糸工場の建設機運が高まった。このため、大隈重信、伊藤博文、渋沢栄一らが中心となって、フランス人技師ブリューナを招聘。北関東を中心に工場立地選定の結果、富岡が選らばれた。付近一帯が養蚕地帯であること、水利に恵まれていること、石炭ボイラー用の燃料の調達が容易であったことなどによって適地と認定、明治5(1872)年に大製糸工場が完成した。
 
 当時の戸数は620戸、人口わずか2115人と記録されているこの寒村に、その後続々と関係者らが移転。昭和62(1987)年3月、操業中止となるまでの最盛期には、全国から参集した女工1000人を抱える大工場となった。女工哀史で知られる疲弊した農家の出稼ぎ先としての社会史的意義とともに、官営八幡製鉄所と並び「殖産興業」を願った近代日本の産業遺産なのである。

 群馬県富岡市は平成の大合併後でさえ、人口5万4000人弱(所帯数1万8000戸)という小さなマチである。そこへ「世界遺産認定へ」という待ち焦がれたニュースが流れたため、この日は市内3000人の市民によるちょうちん行列や、500発の花火で盛り上がった(asahi.comより)という。遺産認定へ歩を進めた製糸場は観光資源としては大目玉。マチ挙げての歓迎はさておき、これで富岡市活性化を果たすにはまだまだ道は遠いように見える。

 関越高速道のインターもすぐそば、アクセスは悪くない。だが、従来までの観光客は年間6万人、現在整備中の駐車場は先月末の日曜日にはたった1600人の観光客で混乱した。駐車場と工場見学の有料化(3月末までは無料)は議会で地元紙では決定されることになるというが、なにより観光地としての休憩所や土産品店などが未整備。現状は単なる工場跡地、到底有料化を図れる状態ではない。レンガづくりの工場建屋を利用してのレストランの開設や、碓井峠の鉄道遺構、小幡上野養蚕農家群、新町紡績所など近辺の絹糸に関係ある歴史構造物との調和を図る必要がある。

 また、2005年10月、片倉製糸から市に移管された富岡製糸場自体の運営をめぐっては、県と市のさや当てが表面化、遺産大歓迎と銭勘定は別モノというわけだ。さらに同県高崎市にある「県立日本絹の里」との整合性もきわめて微妙。ここのHPは製糸場とリンクさえされていない。

 古き良き時代の遺産とはいえ、ここは「産業遺産」。「自然遺産」と異なり、観光的要素をどう組み込むかが目先の課題だ。ややもするとハード優先の地域開発、“伝統的な”発想を転換できなければ、折角の世界遺産認定へ向かう道筋も狂ってくることだろう。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 今藤 泰資

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群馬県  世界遺産  富岡製糸場  ボイラー  飛鳥  
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