2月7日のフランス対アルゼンチンの親善試合のメンバーリストに、またしてもルドビック・ジュリ(バルセロナ)の名前はなかった。ジュリは2005年10月12日のW杯予選キプロス戦を最後に、代表に招集されていない。以来、代表戦があるたびに不満を口にしてきた。これに対してドメネク監督は昨年10月、「少し黙って、プレーに専念しろ」と答えていた。

 今回のジュリの監督批判は、自分を選ばなかったことについてではなく、ケガからまだ完全に回復していないチームメイトのリリアン・テュラムを選んだことに向けられた。ジュリは1日にラジオ局「RMC」のインタビューで、「テュラムは練習に参加していない。ふくらはぎの痛みはまだ残っている。アルゼンチン戦でどうやってプレーできるというのだろう」と語った。

 一方、テュラム自身も4日の「テレフット」(毎週日曜朝放映のサッカー番組、TF1局)で、「プレーできる可能性はほとんどない。彼(ドメネク監督)が何を考えているのかわからない」と淡々と語った。番組に生出演していたドメネク監督はテュラムの談話(録画)を見て、「リリアンは、とぼけるのがうまい」と笑い、「ケガの状態は知っている。しかし彼には驚異的な回復力があり、直前までわからない」と、あえて選んだ理由を説明、アルゼンチン戦という大事な一戦におけるテュラムの存在の重要性を強調した。