ディーゼル車はガソリン車よりも環境に良いのか?(下)
2007年02月04日10時34分 / 提供:PJ
(上)からのつづき。我が国ではディーゼル車のイメージというのは本当に悪い。石原都知事のディーゼル批判というのが大きく影響しているのは確かである。もしダイムラークライスラー社が言うように、ディーゼル車が環境にいいとしたら、石原都知事や東京都はその責任についてどう考えているのだろう?東京都庁第二本庁社北側にある環境局自動車公害対策本部計画課に行って話を聞いてみた。
―ホンダや日産などの自動車メーカーに「なぜ欧州で販売しているディーゼル車を日本で販売しないのか?」と聞くと、「日本ではディーゼル車に対するイメージが良くないので、ニーズが少ない」という回答が返ってきます。実際に東京都では石原都知事のパフォーマンスやHPなどでディーゼル車について否定的なイメージを与えています。しかし昨今のディーゼルエンジンはNOxやPMの排出も減り、改善されたという話を聞きますが、実際はどうなのでしょう?
「私たちも燃費や耐久性などディーゼル車の長所は認めています。そして昨今、エンジンの技術進歩によりPM(黒煙やタールなどの浮遊粒子物質)の排出が改善されたのも理解しています。ただNOx(窒素酸化物)という排気ガスに関しては、未だに問題が残っているのです。(添付グラフ参照)」
この図にある「一般局」というのは住宅地域等に設置している一般環境大気測定局の47局で測定。また「自排局」とは道路沿道に設置している自動車排出ガス測定局を言い34局で測定している。
担当者は「グラフを見ていただければ分かるように、PM(黒煙やタールなどの浮遊粒子物質)については毎年、排出量が減少しています。これは一般局で昨年に続いて2年連続、測定をした全部の局で環境基準を達成する事が出来ました。また自排局でも昭和48年度に観測を開始して以来、初めて全部の局で環境基準を達成できました。しかしNOx(窒素酸化物)については、排出量は横ばいですし、一般局で98%、自排局では34局中19局の56%しか環境基準を達成できていません」と話した。
―NOx(窒素酸化物)の排出量が減っていないと、どういう問題を引き起こすのでしょう?
「NOx(窒素酸化物)は排気ガスとなり、深刻な大気汚染を引き起こしています。大気汚染は過去の問題でありません。現に東京都では今も大気汚染訴訟に取り組んでいます」
―この度メルセデスベンツがディーゼル車を発売するにあたって、ディーゼルエンジンはNOxやPMの排出も減り改善されたとホームページなどで公表していますが?
「今回、発売されたメルセデスベンツのディーゼル車は、輸入車に対する経過措置によって、最新の排出ガス規制が適用されていません。つまりPMについては問題がありませんが、NOxについては最新の規制を達成していません」
このようにメルセデスベンツのディーゼル車は現行の規制をクリアしていないと東京都は見解を示し。これに対し、ダイムラークライスラー社の百目木氏は、輸入車ならび国産継続生産車に関しては、現行の新長期規制に対して2年の猶予があり、この度投入したディーゼル車に関しては経済効率にすぐれ、CO2の排出量を大幅に削減できるなどとした。ただ、現状に満足せず、排気ガスのクリーン化を目指しているとコメントした。
しかし、NOxの排出量が大気汚染問題をクリアできる基準に達する為には、現行の規制でも充分でなく、2009年から適応されるポスト新長期規制程度は必要ではないか。
―では現行のディーゼル車が環境に良いエコカーだと言うのは間違いだという事でしょうか?
「現行ではそう思います。ただ2009年からのポスト新長期規制をクリアできるようなエンジンを開発して頂ければ、ディーゼル車はエコカーと言えるでしょう。是非、自動車メーカーさんに努力を願えればと思っております」
―ではヨーロッパでディーゼル車が売り上げを伸ばしていますが、それは地球環境に良くないという事でしょうか?
「確かにディーゼル車はガソリン車よりCO2の排出量が少ないかもしれません。ただディーゼル車が増える事によってロンドンなどのヨーロッパの大都市でも大気汚染の問題が発生して来ています」
このようにディーゼル車は、CO2の排出量が少なく地球温暖化に対しては効果的であるかもしれない。だが、現状では大気汚染に関しては問題があるようだ。【了】
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―ホンダや日産などの自動車メーカーに「なぜ欧州で販売しているディーゼル車を日本で販売しないのか?」と聞くと、「日本ではディーゼル車に対するイメージが良くないので、ニーズが少ない」という回答が返ってきます。実際に東京都では石原都知事のパフォーマンスやHPなどでディーゼル車について否定的なイメージを与えています。しかし昨今のディーゼルエンジンはNOxやPMの排出も減り、改善されたという話を聞きますが、実際はどうなのでしょう?
「私たちも燃費や耐久性などディーゼル車の長所は認めています。そして昨今、エンジンの技術進歩によりPM(黒煙やタールなどの浮遊粒子物質)の排出が改善されたのも理解しています。ただNOx(窒素酸化物)という排気ガスに関しては、未だに問題が残っているのです。(添付グラフ参照)」
この図にある「一般局」というのは住宅地域等に設置している一般環境大気測定局の47局で測定。また「自排局」とは道路沿道に設置している自動車排出ガス測定局を言い34局で測定している。
担当者は「グラフを見ていただければ分かるように、PM(黒煙やタールなどの浮遊粒子物質)については毎年、排出量が減少しています。これは一般局で昨年に続いて2年連続、測定をした全部の局で環境基準を達成する事が出来ました。また自排局でも昭和48年度に観測を開始して以来、初めて全部の局で環境基準を達成できました。しかしNOx(窒素酸化物)については、排出量は横ばいですし、一般局で98%、自排局では34局中19局の56%しか環境基準を達成できていません」と話した。
―NOx(窒素酸化物)の排出量が減っていないと、どういう問題を引き起こすのでしょう?
「NOx(窒素酸化物)は排気ガスとなり、深刻な大気汚染を引き起こしています。大気汚染は過去の問題でありません。現に東京都では今も大気汚染訴訟に取り組んでいます」
―この度メルセデスベンツがディーゼル車を発売するにあたって、ディーゼルエンジンはNOxやPMの排出も減り改善されたとホームページなどで公表していますが?
「今回、発売されたメルセデスベンツのディーゼル車は、輸入車に対する経過措置によって、最新の排出ガス規制が適用されていません。つまりPMについては問題がありませんが、NOxについては最新の規制を達成していません」
このようにメルセデスベンツのディーゼル車は現行の規制をクリアしていないと東京都は見解を示し。これに対し、ダイムラークライスラー社の百目木氏は、輸入車ならび国産継続生産車に関しては、現行の新長期規制に対して2年の猶予があり、この度投入したディーゼル車に関しては経済効率にすぐれ、CO2の排出量を大幅に削減できるなどとした。ただ、現状に満足せず、排気ガスのクリーン化を目指しているとコメントした。
しかし、NOxの排出量が大気汚染問題をクリアできる基準に達する為には、現行の規制でも充分でなく、2009年から適応されるポスト新長期規制程度は必要ではないか。
―では現行のディーゼル車が環境に良いエコカーだと言うのは間違いだという事でしょうか?
「現行ではそう思います。ただ2009年からのポスト新長期規制をクリアできるようなエンジンを開発して頂ければ、ディーゼル車はエコカーと言えるでしょう。是非、自動車メーカーさんに努力を願えればと思っております」
―ではヨーロッパでディーゼル車が売り上げを伸ばしていますが、それは地球環境に良くないという事でしょうか?
「確かにディーゼル車はガソリン車よりCO2の排出量が少ないかもしれません。ただディーゼル車が増える事によってロンドンなどのヨーロッパの大都市でも大気汚染の問題が発生して来ています」
このようにディーゼル車は、CO2の排出量が少なく地球温暖化に対しては効果的であるかもしれない。だが、現状では大気汚染に関しては問題があるようだ。【了】
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パブリック・ジャーナリスト 朝倉 創
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