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躍動するクリエイター=DIGIMIX Studio(中)=秋田

躍動するクリエイター=DIGIMIX Studio(中)=秋田
DIGIMIX Studioで制作した「宇宙戦艦ヤマト」のトレーディングカード用レンダリング画像(右)と、実際に販売されたトレーディングカード(左下)。(撮影:北島要子) 写真一覧(5件)
【PJ 2007年02月01日】− (上)からのつづき。着実に夢に向かって歩を進めている「DIGIMIX Studio」佐々木氏も、元々3DCGやフィギュアの業界を経験して独立へといたったわけではない。この業界へ足を踏み入れたきっかけは、大学卒業後、神奈川の電機系エンジニアリング会社にて14年間勤め、一身上の都合により退職・帰秋をしたことだった。

 帰秋後、地元秋田にて再就職先を探していたものの「やりたい」と思える仕事にめぐり合うことができず、就職活動をしながら、3DCGの勉強を兼ねて好きな松本零士氏の作品に出てくるメカニックなどをモチーフとして製作した作品をWEB上で公開(現在もhttp://www.digimix.jp/にて公開中)し始めた。

 公開した作品の評価に手応えを感じ「やりたいと思える仕事が見つからないなら、いっその事、好きなCGで喰っていければ最高じゃないか」と、佐々木氏曰く「安易に」3DCGデータの作成を仕事にすることを決意し、退社2年半後の2002年に3DCG作成をメインにした事業「DIGIMIX Studio」を立ち上げたのだとか。当然、今までとは全く異なる分野に帰秋した土地でという0からのスタートだったため、最初のうちは苦労の連続だったようだ。

 そもそも「営業が苦手」という佐々木氏に、ならばどうやって仕事を取るための行動を起こしたのかと訪ねると「顧客が持っているイメージがハッキリしていて、直線が主体、しかも図面が存在する建築パースならば比較的短時間で製作でき、手始めの仕事としては適当と思えたので、建築屋さん50社程度に片端から営業のメールを送りました」とのこと。今ではおなじみのネットを利用した営業方法だが、当時、返信メールは一通しかなかったという。

 そんな低迷の日々が続いてはいたものの、きっかけになった一社の仕事を誠心誠意こなすことで信頼を得、他社の仕事を紹介していただくなどの繋がりへと拡がっていったのだそうだ。起業当初は、CGだけではなく1件300円という図面や、1カ月フルに画像修正作業をして6万円など、内職のような仕事もしていたという佐々木氏、唯一の営業活動(方針)は「貰った仕事をとにかく一生懸命やる。今持っている技術をすべて注ぎ込む。金額に関しては適正な金額を請求する」。この姿勢、当たり前ではあるがなかなか難しい。

 ハードやソフトの性能の進歩が目覚ましい昨今、ある程度の「省き」が利く部分もある。ワイヤーフレーム(コンピューターで3次元の立体を線で再現する表現方法)と呼ばれる三次元データを二次元作品(ポスターやトレーディングカードなどの出力物)としてレンダリング(登録されたデータに基づき、光や色、質感といった描写を忠実に再現した画像を表示する方法)するときなどは、多少おかしな部分があってもソフト側で「らしく」みせてくれたり、レンダリングのデータを変換し画像加工ソフトで修正することで見栄えを良くすることなどができる。

 しかし、データから立体を作り出すとなると話は別だ。レンダリングではなんら問題がないのに、実際にそのデータで成形(3DCGのデータから実際の立体を作り出すこと)を行うと整合性がつかない部分や成形できない部分などができてしまうこともある。ゆえに、3DCGから立体を起こす際には元となるデータが成形しやすく正しいものであることが最低限必要なのである。しかし、PCに依存しているいわゆる「自称」クリエイターも増えてきた現在ではその辺りの調整ができない人もいる。PCが見せる結果だけを鵜呑みにするため「何が悪いのか」を追求することができないのだ。それができなければ、継続して仕事を受けることは難しい。

 特に、最近ブームの昔のアニメや漫画の「モノ」をフィギュア化する場合、当時はその角度角度で「格好良く」見せるようにしているため、実際に360度つきあわせてみるとバランスの悪いところがあったりつじつまのあわない部分があったりと、立体化するのに手間がかかるものが多いのも事実なのだ。そういったところを修正しつつ、元々の作品のイメージを壊すことなく仕上げるのが、元となるデータや原型を制作する人たちの苦労する所なのである。

 DIGIMIX Studioがここまで継続して原型のデータ作成を手掛けていることは、「一生懸命やり、もてる技術を惜しみなく注ぎ込む」という姿勢と、PCに依存せず、作成したデータの整合性を突き詰めていける技術が認められていることに他ならないであろう。【つづく】

■関連情報
躍動するクリエイター=DIGIMIX Studio(上)=秋田

DIGIMIX Studio
松本零士オフィシャルホームページ
松本零士「ステーション 零」

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パブリック・ジャーナリスト 北島 要子【 秋田県 】
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