アジア室内競技大会公式サイト。競技リストにEスポーツが明記されている
 ちょっと前の話になるけれど、2006年12月6日に朝日新聞のインターネット版「asahi.com」で「『ゲームもスポーツ』種目採用 来年のアジア室内大会」という記事が掲載された。日本ではちょうど次世代ゲーム機が市場に揃い、活気があった時期である。そのせいか、ゲーマーだけではなく、お茶の間や職場でも話題になったようだ。僕の犬の散歩仲間のご婦人方からもその話題が出たくらいだから、“ゲームがスポーツになる”というトピックは、かなり大勢の方に知れ渡ったようだ。

 しかし続報がない。このままでは、Eスポーツが一過性の話のタネのまま終わってしまう。現在、アジア室内大会のEスポーツはいったいどうなっているのだろう。

 まず、アジア室内大会においてEスポーツがどのように認識されているか。公式サイトによると「電子スポーツ(Eスポーツ)は、電子的、あるいは電子装置を使った競技です」と明言されていた。続いて「従来のスポーツと同じように、Eスポーツは公正な競技であることは明らか」、「Eスポーツにとって、体力、瞬発力、戦略が重要な要素である」、「それは速い反応を必要とするチェスゲームだと言える。一見、伝統的なスポーツと異なるようである。しかし、根底には同じ要素がある」とあった。実に簡潔で解りやすい。もっとも、チェスがスポーツであるという認識がないと、このたとえでも難しいかもしれない。

 その紹介文の横にテクニカルハンドブックへのリンクがある。ここにEスポーツ競技の詳細が記されていた。ハンドブックの3ページには日程が書かれており、Eスポーツは10月の26日から29日までの4日間の日程が組まれている。最近まで来年のことだと思っていたが、実はあと9ヵ月に迫っている。こうなると少々落ち着かない気分だ。

 6ページにはマカオEゲームスポーツ連盟の連絡先が記されている。マカオにはこういう団体があるのだな、と解る。実は、オリンピック競技として認定してもらうためには、こうした統括組織が必要だ。韓国にもEスポーツ統括団体はある。おそらく他の国も同様にEスポーツ団体があるのだろう。それが大会開催の根拠になっているはずだ。それが日本にはまだない。

 7ページから大会の概要が記載されている。開催場所はマカオ・インターナショナル・コンベンション・センター。そして注目は開催種目だ。asahi.comではコナミのウイニングイレブンのみタイトルが報じられたが、実際は3種目あった。残りふたつはNeed for SpeedとNBA Liveだ。どちにも男子と女子があるので、正確には6種目。各種目1名の代表選手が参加できるから、日本も6名の代表選手を派遣できる。ゲームのバージョンについては検討中のようだが、おそらく最新版になると思われる。

 ウイニングイレブンは日本製のサッカーゲーム。ただし、テクニカルマニュアルではPCプラットフォームとなっているため、海外版のPro Evolution Soccer 6だと思われる。こちらはEスポーツ大会の実績があり、フランスで開催されるESWC(Eスポーツワールドカップ)の種目に選ばれている。Pro Evolution Soccerは海外版のためか、日本においてコナミからの公式なコメントがない。しかし、コナミはスポーツクラブなどのスポーツ事業を展開しているし、冬季アジア大会にもコナミスポーツ所属選手が参加している。なによりもコナミスポーツはJOC(日本オリンピック委員会)のオフィシャルパートナーだ。きっと対応準備が行われていることだろう。

 Need for Speedはカナダで開発され、アメリカのエレクトロニック・アーツが世界で発売している公道レースゲーム。最新版はNeed For Speed Carbonで、日本でもPC版、PS2、PS3、Xbox360、Wiiで発売されている。機械を使うという意味で、Eスポーツはモータースポーツに例えて説明されることが多い。だからカーレースゲームを種目に加えたことはEスポーツの理解を助けることになるだろう。Eスポーツ種目としてはWCG(World Cyber Games)2006とWGMT(World GameMaster Tournament)2006に前作のNeed for Speed: Most Wantedが採用されている。