ワンボックスタイプの新型ミニバン「デリカD:5」を発表する益子社長(撮影:吉川忠行)

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経営再建中の三菱自動車<7211>は31日、ワンボックスタイプの新型ミニバン「デリカD:5(ディー・ファイブ)」を同日から発売すると発表した。東京都港区の新高輪プリンスホテルで開いた記者会見で益子修社長は「ワンボックスタイプのミニバンでありながら、高い安全性とSUV(スポーツ多目的車)並みの走りを実現したクルマ」とアピールした。

 1968年に初代を発売した「デリカ」は、1994年発売の4代目までに累計193万台を生産した同社の主力車種。今回発売の5代目「デリカ」は、同社のSUV「アウトランダー」と車台を共用するなど13年ぶりにフルモデルチェンジし、「デリカ」ブランドが継承してきた安全性に加えて、SUVの力強さを実現したという。

 「デリカ」は、食べこぼしなども簡単に拭き取れる「汚れプロテクト加工」のシートを採用し、子供が乗降しやすいようにドア脇の低い位置にグリップを設置するなど、機能性を追求。先代より全高を低下させながらも、室内高を100ミリ増大することで、広々とした室内空間とゆったりとした収納を実現した。また、エンジンは2.4リットルMIVECを搭載し、CVT(無段変速機)を採用することでなめらかな加速と低燃費を実現したという。

 同社によると、ワンボックスタイプのミニバン市場は年間70〜80万台と安定的に推移。今回の「デリカ」投入により、同市場の約7%に当たる月販2300台を目指し、同社の販売台数の7割を占める軽自動車よりも、より収益力のある登録車の底上げを図りたい考えだ。海外展開について益子社長は「当面は右ハンドルの国を考えたい。左ハンドルは生産能力の問題からすぐにということはない」との考えを語った。

 税込価格は、261万4500円(CVT、4WD)から341万2500円(6速CVT、同)となっており、今後、FF(前輪駆動)の投入も予定している。【了】

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