女性
【独女通信】地方の女は大変だ(前編)
2007年01月31日09時58分 / 提供:独女通信
撮影:佐藤学
「お前、その年で独身って、どこか悪いところでもあるのか?」
友人の言葉には悪意などみじんもなく、真剣に心配しているのが見て取れたという。太田さんとしてはただ東京で仕事に打ち込み、彼女との恋愛を普通に楽しんでいるだけ。独身でいなけばならない理由は特になかったが、それなのに結婚しない太田さんを、故郷の友人はますます理解できなかったようだ。
「東京に比べると、地方では『結婚するのが普通』という考えは強いかもね。世話焼きの人も多いし。昔は、実家に帰ると勝手に見合いの席がセッティングされてることもよくあったよ」と、太田さんは言う。
都心部に住んでいると意識しづらいが、日本には地域共同体が機能している場所がまだまだ残っているのだ。そこでは、太田さんのような男性だけでなく、当然若い女性にもチェックが入る。近畿地方の会社員の美穂さん(仮名・32歳)が住んでいるのは、「隣近所みな親戚」という小さな「村」。
「ご老人方の井戸端会議で情報交換されるらしく、それぞれの家族構成や仕事先、家庭の問題まで、情報は全部筒抜け。私に初めて彼氏ができたときも、ウチの両親より近所の人の方が先に知ってたくらいです」と美穂さん。現在、美穂さんは独身だが、「直接なにか言われることはないけど、村の噂になってると思う」と話す。
「このあたりでは地元で就職して結婚する人も多く、ウチの親も女性は結婚して出産するのが当たり前、と思っていますから」。
美穂さんいわく、周囲の女性は27〜28歳で結婚、29歳で出産する人が多いとか。一方で、男性は25歳前後で年下と結婚する人が多いそう。その「結婚」にも、地方ならではの避けては通れない問題があるという。それは「跡継ぎ」だ。美穂さんの地域では、今も「長男長女が家を継ぐ」という意識が根強いのだという。
「長男長女カップルの場合、お互いが家を継ぐ立場のため、双方の両親と話し合った結果別れる、というパターンも。だから、次男次女が先に結婚して家を出るというケースも多いですね」。
そう話す美穂さん自身も3人姉妹の長女。ご両親は婿養子を希望しているという。そこまで結婚や跡継ぎが重要視される理由を、美穂さんと前出の太田さんはこう話す。
「家や墓をどうする、って話になるんです。田舎の家や土地は大きいし、維持するのにけっこうお金も手間もかかるんですよ」。
先祖代々守ってきた家や土地、お墓は、次の世代に受け継ぐべきもの。だから、結婚をして跡継ぎをしっかり立て、家をきちんと守っていかなければならないというわけだ。結婚による血縁の維持や、家と家のつながりが、地方ではまだまだ求められているのである。
後編では、地方と都心部の生活と女性を比較してお届けします。
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