“スタジアム離れ”現象が続く近年のイタリア。パレルモ、カターニャ、フィオレンティーナなど満員サポーターの声援・後押しを受けるクラブは稀で、大多数のスタジアムでは観客数が年々減少している。以前から“スタジアム離れ”の危機を訴えている現地有力紙“コリエレ・デッロ・スポルト”はサポーターからメッセージを募り、彼らの本音を紙面に反映させている。28日付けの紙面に紹介されたサポーターの声は以下の通りとなった。

「チケットの値段を下げて、開始時間を以前のように戻す。カルチョを支えるのは心であり、財布ではない(エレナ・インテリスタさん)」
「サポーターをスタジアムから遠ざける作戦ならば、おめでとうと言いたい。作戦はもはや成功に終わった(ジャンルカさん)」
「子供達は試合を見に行きたがっていたが・・・、(夜遅い時間帯では帰りのこともあり)大都市でしかスタジアム観戦は無理(マウロさん)」
「カップ戦、リーグ戦ともにこの時間帯での試合開始はもうやめろ!!(ジャンニさん)」
「イングランドから学べ!!なぜプレミアは常にスタジアムが満員なんだ?まずはアホみたいな値段を下げろ!!(匿名希望)」
「イタリア杯で数少ない真剣勝負(26日夜のミラン対ローマ、21時15分開始)をなぜ中途半端な時間帯でやるんだ!!(匿名希望)」
「値段と時間帯をもっと考えろ!!サポーターは疲れるだけだ(匿名希望)」
「もはやサポーターへの配慮など何もない(ステファノさん)」

チケット代の高騰、交通網の不備、スタジアムの老朽化、スタジアム観戦に伴う危険、チーム数増加による試合内容の低下、時間帯など“スタジアム離れ”の原因は様々だが、最も多い声が「値段」「時間帯」に対する不満だった。莫大な放映権料に浮かれている間に、サポーターがスタジアムから遠ざかっている事実を関係者は真摯に考える時期に来ているだろう。W杯優勝国のイタリア、国内リーグ戦・カップ戦に観客が集まらないのは選手達の責任ではない。

佐藤 貴洋