26日に行なわれた欧州サッカー連盟(UEFA)の会長選挙で、ユベントスなどで活躍した元フランス代表のミシェル・プラティニが新会長に選出された。史上初となる元プレーヤーの会長就任だけに、現場サイドからは、現役時代に“将軍”の愛称で親しまれたプラティニの当選を歓迎する声も多い。

 その一方で、プラティニは各国に与えるチャンピオンズ・リーグ(CL)の出場枠を、これまでの最大4チームから、3チームに減少させる案を掲げており、欧州の強豪国からは異を唱える声も少なくない。

 現在、CL出場枠を4つ確保するイングランドでも、その波紋は広がっている。まずプラティニのCL改革案に噛み付いたのは、マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督だ。この65歳の老将は、CL出場枠に対する制限の影響を次のように語る。

 「CLは今のまま変える必要はない。この大会の売りは、スペインやイタリア、そしてイングランドの強豪クラブが直接対決するところにある。出場枠を3つに制限するなら、出場チーム数を減らすことも考えるべきだ」

 さらに、アーセナルのアーセン・ベンゲル監督は、プラティニの会長就任を歓迎しながらも、CLの改革には難色を示している。

 「サッカー界では、選手の声が反映されないという不満が常にあった。プラティニの会長就任で、その不満は解消されるかもしれない。しかし、CLの出場枠については同意できない。強豪国以外から出場クラブが増えると、彼らが大会からの早期敗退を繰り返し、CL自体への興味が薄れる危険性がある。この大会は、最強チーム同士が戦う場であるべきだ」

 また、プラティニの“公約”は、プレミアリーグの中堅クラブから希望を奪い取ると語るのは、ボルトンのサム・アラダイス監督だ。

 「CLの出場枠減はプレミアリーグにとって深刻な問題だ。我々のようなクラブにとっては、事実上、CL出場の望みをまったく失うことになる」

 2009年の導入をメドに、CL出場枠の再編に取り組むプラティニ。就任早々、欧州の強豪国から激しい反発を受けることになる新会長は、自らが掲げたマニフェストを貫き通すことができるだろうか。