26日夜に行われたイタリア杯準決勝ACミラン対ASローマ戦の観客数が6045人だったことが判明した。テレビ局側の都合により試合開始は21時15分。スタジアム離れが顕著なイタリア杯に対して、イタリア北部ミラノで平日夜遅い時間帯での開始を危惧していた関係者は多かったが、予想以上の惨敗となってしまった。

カカ、キブー、メクセスなど各国代表選手に加えてW杯優勝メンバーのトッティ、ピルロ、インザーギ・・・。カルチョ界のスターが揃い踏みしたサンシーロ・スタジアムに足を運んだサポーターはわずか6045人。8万5700人収容のスタジアムの約93%が空席だったことになる。この試合のチケットの値段設定は10ユーロから80ユーロまで(4カテゴリー)と低価格に設定されていたが、集客に結びつくことなく終了のホイッスルが鳴り響いた。カルチョの殿堂サンシーロでのあまりの惨状に、現地メディアも危機感を募らせている。特にコリエレ・デッロ・スポルト紙は以前から“サポーターのスタジアム離れ”を訴えており、“スタジアムに再びサポーターを!!”キャンペーンを関係者の顔写真・署名入りで実施している。

スター選手が競演した試合はASローマが2点ビハインドの状況から追いつく白熱した内容だったが、試合開始の時間設定があまりにもひど過ぎた。選手には負傷の恐れが、サポーターには耐えられない寒さと帰宅手段の心配が待ち受ける冬のナイトゲーム。試合中に時折降った雪はテレビ画面では視認できなかったが。

佐藤 貴洋