マンチェスター・ユナイテッドのDFガリー・ネビルが、アレックス・ファーガソン監督の後任候補を名指しで指名した。その候補とは、マンUでのプレー経験を持ち、現在ブラックバーンで指揮を執る、マーク・ヒューズだ。

 1992年のプロデビュー以来、マンU一筋でプレーしてきたネビル。現在バーミンガムの監督を務めるスティーブ・ブルースや、ウェスト・ブロムウィッチの元監督であるブライアン・ロブソンなど、元チームメイトの中には、すでに監督のキャリアを積む者も多い。そんな数多くの候補者の中から、ファーガソンの後任としてネビルが指名したのは、同じチームでプレーした時期を振り返り、「まさか監督になるとは思わなかった」というヒューズだった。

 「ブライアン・ロブソンやスティーブ・ブルースといった人たちは、一緒にプレーしていた当時から、いずれ監督になる姿が想像できていた。この2人を、次の監督候補に推薦する人も多いだろうね。ただ僕は、マーク・ヒューズを推したい。僕は、まさか彼が監督になるなんて思っていなかった。でも今では、彼こそが後任候補に最適だと思う。ロブソンやブルースと比較してもね」

 マンUの次期監督候補について具体名を挙げたネビルだが、ファーガソン政権の終焉を望んでいるわけではない。ファーガソンは、2002年に監督生活からの引退を発表しながら、周囲の慰留もあり、その発言を撤回。そして、いまなお長期政権を存続させている。当時をよく知るネビルは、老将の引退撤回が、ある人物の監督就任という“ピンチ”からクラブを救ったという。

 「監督が引退すると発表したとき、後任にはスベン・ゴラン・エリクソン(元イングランド代表監督)の名前が挙がっていたんだ。今考えてみると、その通りの人事が行なわれていたら、最悪なことになっていただろうね」

 現在プレミアリーグの首位を走るマンU。4年ぶりのリーグ優勝を勝ち取れば、現在65歳のファーガソンが勇退するとの噂もある。ただ、その去就はクラブの命運を左右しかねない。マンUの監督人事には、慎重な決断が求められそうだ。