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ヒロシマ・ナガサキ以来の危機迫る〜核と温暖化(4)

【PJ 2007年01月26日】− (4)「核問題2.0」あるいは「温暖化問題2.0」。
(3)からのつづき。映画は森の中を流れる小川の風景から始まる。こののどかな平和な風景を、未来の世代に私たちは、手渡すことができるだろうか。

 そういえば、カーソンの『沈黙の春』に似た情景があった。また渡り鳥の変化が、カーソンに本を書かせるきっかけともなっていた。『不都合な真実』は『沈黙の春』を連想させる。しかし一方大きな違いも両者の間にはある。

 「かつてアメリカのまん中に、すべての生き物が環境と調和して生きているような町があった。町は碁盤目に広がる豊かな田畑の中央にあり、周囲には穀物畑、山腹には果樹園炎があって、春には白い花々が緑の原の上でゆらゆら浮かぶように咲き乱れた」。 これはカーソンの『沈黙の春』の序章「明日のための寓話」の冒頭である。『不都合な真実』の冒頭シーンを製作したスタッフの頭の中に、あるいは『沈黙の春』が無意識のうちに潜んでいたのかもしれない。

 そして渡り鳥。1958年1月頃カーソンは、友人から「蚊の撲滅計画として沼沢地に飛行機で行った農薬散布により、多数の鳥が死んでしまった」という手紙を受け取る。当時アメリカではDDTなどの有機塩素系農薬が大量に使用されていた。農薬散布が人間の「利益」を目指しながら同時に生態系を壊し、時間の経過と共に環境ばかりか人間そのものにも害を及ぼす事実に突き当たる。この解決を訴える『沈黙の春』の連載が1962年6月に雑誌「ニューヨーカー」で始まり、単行本は9月27日に出版された。当時4万部が売れたという。

 農薬製造企業を始めとして猛烈な誹謗中傷が沸き起こる。しかし,『沈黙の春』の影響は大きく、ケネディ大統領は直ちに科学諮問委員会を作り、調査がされ、ついには危険な農薬が禁止されることになる。

 カーソンは出版の2年後、1964年に亡くなるが、国民国家の枠組みが揺るぎなかった、ある意味で幸福な時代に学者の倫理観に従い行動し、結果を残したといえる。

 ところが現在は米誌「原子力科学者会報」が指摘するように、国民国家の枠組みが機能しづらい。同じ環境問題、また核の問題の解決に際し、より困難な状況に私たちはいる。

 しかし一方で「WEB2.0」が、時代を新しい地平へ連れて行こうとしている事実も、私たちは知っている。ゴア氏が取り組んだスライド講演という方法、またドキュメンタリー映画という方法、これらが更に、「消費者」「個人」「情報発信」「参加」「多様性」をキーワードにした「WEB2.0」のインフラをベースにして、思いもよらない新しい問題解決の手法創出へつながっていくことを期待したい。【了】

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WEBサイト『金融リテラシー』編集長:PJ活動のベースとなるクリッピング作業を公開、またメルマガも配信しています。

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パブリック・ジャーナリスト 神宮司 信也【 東京都 】
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