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美しい日本の正しい日本語を考える。

【PJ 2007年01月23日】− 日本語が乱れている。正しい日本語が使えないのか。との声を耳にする。確かにそうかも知れない。しかし、訳のわからない横文字ばかり並べることを思えば、使い方が少々違っていても日本語として理解できることなのだから、それはそれで良いのではないだろうか。

 日本語は、非常に難しい。今はなくなってしまったが、天皇が下した詔勅の文章など、わからん!言葉が一杯である。しかし、これも日本語なのだ。きっと特殊な用例が、伝統ある賢きあたりでは下々の庶民と異なって現在も使われているのであろう。

 朝日新聞が、漢字書体を康煕体に替え、代用表記していた漢字の表記を正字表記に改めたという。森鴎外の「鴎」は「鷗」の表記になったようだ。漢字の略字体になれてきた人間が多くなってきているのに、今更という気もしないでもない。また正字に戻すならば、台湾がそうであるように全て正字にすべきであろうが、中途半端な状態でもある。事の真意は何なのだろうか。

 言葉の使い方で思い出した事件がある。「天皇機関説」事件だ。1935年2月、貴族院での菊池武夫の天皇機関説非難に始まった動きは、美濃部達吉の反論により、美濃部を不敬罪として告発し、4月には、その著書の発禁にまで至った。この動きには、軍内部の統制派・皇道派の対立がバックにあった。政府は、8・10月の二度にわたり「国体明徴声明」を発した。この事件をきっかけに日本の思想・言論の統制が厳しくなっていくのである。世相は1936年の2・26事件により、国家体制の強化、1937年の「国体の本義」の発表により、教学刷新、超国家主義の日本へますます駆け上っていくこととなる。

 大日本帝国憲法のもと、統治権は法人である国家にあり、天皇はその最高機関としての統治権を行使するものとする「天皇機関説」は大正デモクラシーのイデオロギー的な基礎となり、学会でも定説となっていたのに、その完全否定が行われてしまったのだ。

 憲法改正を声高にいう総理もこの「天皇機関説」事件は歴史の知識として知っている筈だ。日本国憲法改正にあたっても、統治権や国家の主権者の問題で天皇制は必ず論議すべき内容である。美しい国の象徴として国民の総意に基づくだけでは、意味がない。特に、女性天皇の問題もあり、その存続すらも問題となりつつある天皇制を、「日本の国柄をあらわす根幹が天皇制である」と、その著書で言っている安倍総理は、どのように扱うのだろうか?

 「美しい」と感じることは、個人的主観である。人それぞれに異なって当然ではないだろうか。美しい日本語にも、そのことは通じるであろう。「正しい日本語」となると、その基準は疑問となる。文法的、辞書的、常識的表現が正しいのだろうか。発音となると、地方によってもイントネーションが異なる。「かき」は、「柿」であり、「牡蠣」であり、「火気」であり、「花器」でもあるのだ。これを書き分けることは簡単でも、聞き分けるの非常に難しいことである。

 地方の伝統や風土を大切にするならば、標準発音が絶対に正しいとは言い切れないであろう。法律の解釈の問題ならばともかく、言葉に妙な統一や正しさを要求する必要はないと私は考える。それよりも、絶対になくして頂きたいのは、政治に関わる方々の生半可な横文字の使用・氾濫であり、言葉や法律を自分勝手に解釈してしまうことである。【了】

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パブリック・ジャーナリスト 鈴木 修司【 愛知県 】
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