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それでも、納豆は”ほぼ”完全食品!

2007年01月22日07時53分 / 提供:PJ

pj
「あるある大辞典」で一躍脚光を浴びた「納豆ダイエット」ですが、番組で紹介されたデータが捏造だったことでがっかりした人も多いと思います。でも、納豆は伝統的健康食品で、健康に有用な成分が多く含まれていることに変わりはありません。この記事では、納豆のダイエット効果の検証をしてみたいと思います。

納豆は"ほぼ"完全食品
 納豆100グラム(一般的な納豆パック2個分)に含まれる成分を第五訂日本食品標準成分表で見てみると、
タンパク質:16.5グラム、脂質:10.0グラム、水溶性食物繊維:2.3グラム、不溶性食物繊維:4.4グラム、ビタミンB1:0.07ミリグラム、ビタミンB2:0.56ミリグラム、ビタミンE:1.2ミリグラム:ビタミンK:870マイクログラム、カルシウム:90ミリグラム、マグネシウム:100ミリグラム、カリウム:660ミリグラム、鉄:3.3ミリグラム、亜鉛:1.9ミリグラムなどとなっています。そのほかにも、リノール酸:53.0ミリグラム、イソフラボン:106ミリグラム、レシチン:0.9グラム、セレン:234マイクログラム、サポニン、ナットウキナーゼなども含まれています。エネルギーは、200キロカロリー。足りないものは、ビタミンAとビタミンCぐらいで、ほぼ完全食品です。ビタミンAとCはネギに含まれているので、刻みネギを入れた納豆なら完全食品により近づきます。

納豆のダイエット効果
 では、納豆のダイエット効果はどうでしょうか。「あるある大辞典」では、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)が取り上げられていました。DHEAは、副腎から分泌される物質(ステロイド)で、体内でエストロゲンやアンドロゲンなどの性ホルモンに変わります。

 ホルモン類似物質(ホルモンは体内で生産されるものと定義されていますので、ここではホルモン類似物質と呼びます)を摂取するときには、注意が必要です。ホルモンはバランスが大事だからです。体内で十分な量が生産されているときに、過剰に摂取するのは危険です。DHEAの過剰摂取がすでに問題になっているアメリカでは、一般紙でも過剰摂取の危険性が取り上げられています。USA TODAYの記事などによれば、体内のホルモンバランスが崩れ始めるのは30代を過ぎてからであり、若い人たちの摂取は利点がなく、逆に悪影響を与えると指摘されています。アメリカ国立加齢研究所も不足していないのにサプリメントとして過剰に摂取してしまうことに警鐘を鳴らしています。では、どんな危険性があるのでしょうか。・・・と言っても、ホルモンの働きにはよく分からない部分が多いのです。例えば、大豆にも含まれるエストロゲン類似物質のイソフラボンの適量摂取は乳がんのリスクを軽減させるという研究がある一方で、過剰摂取は乳がんのリスクを高めるという研究もあります。あくまでも「適量摂取」に利点があるということしか、今は分かっていません。

 さて、ホルモン類似物質の過剰摂取には危険性があるということを知っていただいた後で、DHEAのダイエット効果について考えたいと思います。医学系学術論文検索サイトMedscapeでヒットしたいくつかの論文(例えばこの論文)によれば、DHEAが不足している(主に中高年の)人がDHEAを摂取すると、基礎代謝が上がる効果があるのだそうです。

 納豆に含まれるEHDAは論文に掲載された実験で使用された量よりもずっと少ないですし、それ加えて、納豆2パックには200キロカロリーのエネルギーがあります。ご飯100グラムで168キロカロリーですので、それを上回る栄養をDHEAとともに納豆で取ることになります。DHEAの摂取で基礎代謝がどれだけあがるのかは人それぞれですが、成人の200キロカロリーも上がることはないのではないかと、わたしは思います。身長160センチ、体重50キロの40歳女性の基礎代謝は、1137キロカロリーです。200キロカロリーはその2割弱。納豆2パックでそんなに基礎代謝がアップすることはないと思います。そう考えると、納豆のダイエット効果はちょっと眉唾かもしれません。

 番組では、実際に体重が減ったという結果が紹介されていたようですが(捏造かもしれませんけど)、ありえない話ではないと思います。それは、納豆に多量の食物繊維が含まれるからです。腸内老廃物(いわゆる宿便など)が、食物繊維によって体外に排出されれば、数百グラムから数キログラムの体重減少もあるかもしれないからです。

それでも納豆はおすすめです
 納豆に、ダイエット効果はなさそうですが、がっかりすることはありません。ダイエットするなら、納豆の栄養価を考えた食事をすればいい。それだけのことです。

  納豆には、素晴らしい成分がたくさんあります。
納豆菌によって生産される血液凝固・溶解成分の「ビタミンK」と「ナットウキナーゼ」、様々な食中毒原因菌にも効果のある抗菌成分「ジピコリン酸」、低密度リポ蛋白(LDL、悪玉コレステロールと呼ばれる)を低下させる「リノール酸」、女性に不足しがちな「鉄」「セレン」、などなど。大豆食品については、世界中で研究が進められているところです(例えば、アメリカオーストラリアなど)ので、これからもっと素晴らしい健康効果が報告されるかもしれません。日本人が昔から食べ続けてきた実績のある納豆ですから、胸を張って食べ続けてもいいのではないでしょうか。毎日の食生活の中に納豆を取り入れると、高価なサプリメントを飲むよりもずっと簡単に栄養のバランスが取れるみたいです。

 納豆に限らずほとんどの食品は、普通の食生活の中で摂取する限りは有用です。「あるある大辞典」で、毎週違った食べ物が紹介されるのを知っている人は「バランスよくなんでも食べないといけないんだな」と気づいているはずです。それが、正しいと思います。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 小林 亮一

関連ワード:
納豆  食中毒  ダイエット  アメリカ  脳梗塞  
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