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医療のIT化、専門化が本当によいのか?

【PJ 2007年01月13日】− 前回入院したのは、2001年だった。わたしは参院選挙を不在者投票し、9.11をベットサイドのテレビで見た。6年後の今回入院して驚いたのは、カルテも含めて全てがコンピュータ管理になっていることである。IT化を、目の当たりにした。

 確かに、病気に関するデータを処理するには、コンピュータはその能力を発揮するだろうが、治療行為はますます専門化して、カルテのある診療科以外は、どんどんと診療科を増やさないと診察してもらえないのが現実だ。コンピュータの「エラー」表示のような、「指示されていません」とか「私ではわかりません」という言葉が当然のように使われている。

 以前なら、内科・外科という大分類ですんだものが、カテゴリーを増やさないとコンピュータ対応できないため、細かく分類され専門化している。要するに、人間をパーツ化し、そのパーツで管理をするのだ。腎臓のパーツ売買に似た行為がどうして行われたのか、何となく感じていたことに確証がもてた。

 医療が専門化するということは、単純に痛いという症状では、診察・診療ができない。あれこれと検査をし、患部を特定し診療に当たる。だから、地域の拠点病院を設けた診察システムの導入が図られ実施されている。痛いという症状の大分類的診察は、開業医に任せ、大病院はその開業医ではできない高度治療や大手術を行うシステムに移行しているのだ。

 時代は、確実に管理社会になっている。このことを痛切に実感するのが病院である。外来で通院している時は、あまり強く感じていなかったことが、入院してみると良くわかった。高齢化する社会で、医療の問題はますます重要になってきている。偶然、病室が脳外科の患者さんがメインの部屋だったため、その先端医療をかいま見ることが、できたのだが、医療的に感じる部分、システム的に感じる部分そして家族のことを感じる部分が多くあった。

 結論的に言ってしまえば、「本当に健康が一番である。決して病気にはなってはならない」ということだ。脳梗塞や脳出血で倒れる人は多い。特に働き盛りの年齢に多い。その家族環境を考えてみると、ある程度子供も自立をし、家族としての交わりが希薄になりつつあるかも知れない。孤独死が話題になる世相をつくづくと思ってしまった。

 脳外科の患者は、そのほとんどが手足や言語に障害を残してしまう。生命は失わなくても、退院後は、その生活が一変してしまうのだ。家族の協力なくしては生きていけないことになる。そのためにも、家族が重要になる筈だが、家族とのコミュニケーションを強く感じられない病室であった。勿論、私が居た病室が特別だったのかも知れないが。

 医療現場での専門化、高齢化社会に於ける医療問題、それに絡む保険等の問題は、複雑な状況を生みだしている。企業・産業として看た医療(介護も含む)は、大きな市場性を持っていることも事実だ。しかし、IT化による管理優先の医療には、医療本来のもつヒューマニティが存在してないように、私は、今回の入院で感じた。「医は仁術」は、過去の遺物でしかないのだ。

 高度先端医療とは、患者のパーツの機能を復帰させることに専念(延命治療はその最たるものだ)して、家族を含めての重要な心のケアが、行われていない。ここまで、徹底した管理(それは利益優先と言い変えてもよい)が病院で運営されていることは、大企業は当然それ以上の状況であろう。世の中の進歩やITを否定するつもりはない。自分自身ITを活用し、その便利さには感謝をしている。しかし、本来的にITを必要とする部分と、ITを導入してはならない部分があるような気がし始めている。ITを中心とした管理社会は、全ての面で人間に本当に幸せをもたらすのだろうか。強い疑問を感じてしまった。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 鈴木 修司【 愛知県 】
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