チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督が、クラブ首脳陣に対する不満を公の場で口にした。プレミアリーグでは首位マンチェスター・ユナイテッドと勝点6差で2位に甘んじるチェルシーは、リーグ2(実質4部)のウィコムと対戦したリーグカップ準決勝(10日)でも1−1の引き分けを演じるなど、不本意な戦いが続いている。

 そんな苦境を打破すべく、モウリーニョは1月の移籍マーケット解禁と同時に、ケガ人が続出する守備陣と、ディディエ・ドログバ頼みのFW陣の補強をクラブに要請していた。しかし、オーナーのロマン・アブラモビッチが出した答えは、「今冬の補強はなし」。この決定に、若きポルトガル人監督は諦めムードを漂わせている。

「獲得を希望する選手のリストは提出した。しかし、彼らがチェルシーに来ることはなさそうだ。すべてはクラブの事情。それを公にするつもりはないがね。私が知る限り、今回のマーケットで補強はナシだ。そうなると、ウチからは1人も放出しない。たとえ私が必要ないと考える選手であっても、移籍を認めることは出来ない。チェルシーの選手層は十分でないし、オプションも少ない。ただ、それも仕方がない。チェルシーは私のクラブではない。私はただの監督なのでね」

 アブラモビッチオーナーを含むクラブ首脳陣との対立も囁かれるモウリーニョ。今シーズン限りでチェルシーを退団するとの噂については、「私の去就など重要ではない。重要なのはチェルシーの状態だ」と肯定も否定もしなかった。

 英国のメディアでは、チャンピオンズ・リーグの結果がモウリーニョの去就を左右するという見方が一般的だ。後任候補には、アブラモビッチオーナーの母国ロシアで代表監督を務めるフース・ヒディンクの名前もすでに挙がっている。チームの大黒柱であるDFジョン・テリーの復帰が遅れるなど、なにかと逆風が続くモウリーニョ。チェルシーで3シーズン目を戦う闘将が、その真価を問われている。