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空港建設現場、そこで見たもの=静岡

2007年01月07日08時34分 / 提供:PJ

pj
見たもの
先日、「人と自然に優しい空港づくり」を基本方針として建設が進められている静岡空港の建設現場へ行った。オオタカ(ワシタカ科)保護の立場から地元の市民団体と協力して建設予定地内に生息するオオタカの生息環境を調査することが記者の目的だった。そのとき、2006(平成18)年12月15日に伐採されたオオタカの営巣木と周囲の営巣林の様子を見てひどい、冷静に考えてそう思った。

 営巣林であった場所は小さなV字形の谷で、伐採された大小の樹木が谷底へ向かって折り重なるようにしてたおれるさまは、さながら戦場に死屍累々と横たわる兵士を見るかのようだった。熱帯雨林の伐採など、大規模な森林破壊を何かしら映像の媒体を通してしか見たことのなかった記者が、はじめてこの目で見た大規模な森林破壊の現場だった。

代替地ではない
 後日、静岡県空港部へオオタカの保護対策について聞いた。以下、空港部とのやりとり。

 ―オオタカの保護対策は。
 「伐採した営巣林の近傍に25ヘクタールの保全林を確保した。この保全林の中には伐採した営巣林の中の営巣木を利用していたオオタカのつがいが2001(平成13)年まで利用していた営巣木がある」

 ―つまり、伐採した営巣林の代替地として25ヘクタールの保全林を確保したということですか。
 「いえ、そうではありません。伐採した営巣林を利用していた個体を意識はしていますが、保全林を代替地として考えているわけではありません。保全林では除伐などを行って、オオタカの採餌環境を整えることを考えています」

 関係者から提供いただいた各種調査による記録を見ると、1989(平成1)年から2001(平成13)年までの間で営巣行動のあった11年間に確認されたヒナの数は平均で0.8羽。2002(平成14)年から2006(平成18)年の4年間で確認されたヒナの数は平均で1.8羽。たしかに、記録からも2001(平成13)年までの営巣環境が特別良好であったことは推察しにくい。

種の保存法
 2003(平成15)年以降2006(平成18)年までの4年間、オオタカは毎年巣を移動するようになる。工事の進捗によって営巣適地を探すことが困難になったことは間違いない。オオタカの巣を探してみれば分かることだが、広い森の中でも、営巣に適した環境、樹木はそう簡単に見つかるものではない。だから、去年1羽のヒナの巣立った営巣木はたいへん重要な意味をもつ。オオタカの視点に立てば、この営巣木は限られた条件の中で選んだ最後の砦のような存在だったと考えられる。

 その営巣木を周囲の営巣林ごと伐採してしまうのはひどい行為だ。オオタカは『種の保存法』で「国内希少野生動植物種」に指定されている。そして同法第2条2項には責務として「地方公共団体は、その区域内の自然的社会的諸条件に応じて、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存のための施策を策定し、及び実施するよう努めるものとする。」と定められている。静岡県の行為は、この『種の保存法』の精神をまったく踏みにじったものだ。【了】

■ 関連情報
希少野生動物の巣を県が撤去!=静岡(下)
希少野生動物の巣を県が撤去!=静岡(上)

記者HP:PJ為我井

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パブリック・ジャーナリスト 為我井 太一

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