タブーへの挑戦、美人女優たちの道(中)
2007年01月04日08時37分 / 提供:PJ
(上)からのつづき。『女劇TOKYO23KU』の9人によるデビュー公演の内容を紹介したい。導入部でユーモアたっぷりに携帯電話、時計のアラームなど音が出るものをお切りくださいという。ところがユニフォームに忍ばせた携帯が鳴りだす。喜劇役者のように演じ、観客の目を引き付けた。さらにはリズミカルな音楽でダンスを披露し、観客をリラックスさせる。
朗読劇に入ったとたんに、言語を絶する、悲惨な原爆投下の広島の情景が語られはじめた。
豊島くん「光ったと思った。どーんという腹の底に響くような轟音。私はどこかにひどく叩き付けられたように地に伏せていた。(省略)。私ははじめて顔に異常をおぼえた。ぬぐった顔の皮膚がズルッと剥がれた。ハッとした。ああ、この手は、右手は第二関節から指の先までズルズルに向けて、皮膚は不気味に垂れ下がっている。(省略)。私は3人の子の名をかわるがわる叫びながら『母ちゃんは死にはしないよ、大丈夫よ』と自分で自分をはげましつづけて走った」、と朗読する。(原作:あっ、落下傘だ、北山二葉さん)。
それはまさに原爆被害者たちの悲痛な叫びだ。犠牲者が目の前にいるような、リアリティに富む演技だった。会場全体には、被害者の「生の声」を聞き入るような雰囲気がただよう。
台東くん「夜、野宿して、やっとたどり着いたら、お父ちゃんしかいなかった。お母ちゃんと、ゆうちゃんが死んだよお(後略)」
全員「ああ、お母ちゃんの骨だ、ああ、ぎゅっとにぎりしめると白い粉が風に舞う」
板橋くん「絶えがたい悲しみが、残された父とわたしに襲いかかって、大きな声をあげながら、ふたりは骨をひらう。菓子箱に入れた骨はかさかさと音を立てる」
文京くん「弟は、お母ちゃんのすぐそばで、半分、骨になり、内臓が燃えきらないので、ころりと、転がっていた。その内臓に布団の綿がこびりついていた。死んでしまいたいと、お父ちゃんは叫びながら、弟の内臓を抱いて泣く」
港くん「わたしはひびの入った湯飲み茶碗に水をくむと、弟の内臓の前においた。父は配給のカンパンを出した」(原作:ヒロシマの空、林幸子さん)
この光景は約60年前、実際に日本で起きた出来事なのだ。観客の多くは涙を拭いながら、舞台をじっと観ている。戦後の一時期を除けば、こうしたテーマ劇はだんだん消えていった。理由の一つには、原爆投下したアメリカに政治的な遠慮と配慮があったからだ。演劇人までも組み込まれてしまった。
『女劇TOKYO23KU』はそれらタブー視にも押しつぶされず、人間として、女として伝えなければならない、と果敢に立ち向かう。広島・長崎の原爆被害だけにかぎらず、チェルノブイリにも目を向けている。演劇の一部を抜粋してみたい。
足立くん「テレビやラジオはすでに(チェルノブイリ)事件がおきたことを伝えていた。いわく、何も怖いことはない。政府は事故処理に着手している、と(後略)」
港くん「私たちは病気だといわれている。地区の人びと全部がおなじ病気にかかっているのだ。病名は放射能恐怖症。年齢も、からだの発達も、性格も、じつにさまざまなのに、私たちはみな一人残らず、どうして病名だけはおなじなのか」
品川くん「この地区の人びとの健康状態に異変が起きているというのは本当ですか」
板橋くん「本当です。頭痛や腹痛などのほかに、乳がんを発病する女性の年齢が30歳から40歳まで下がりました。小児ガンは減りましたが、成年の発症数が激増しています」
大田くん「原発事故後、甲状線ガンが多発しました」
板橋くん「甲状腺を摘出した子どもは、一生ホルモン剤を投与し続けなければなりません」(原作:広河隆一さん作品集より)
チェルノブイリ事故では、大量の放射能が噴出した。8000キロ離れた日本にもやってきて、海藻類、野菜、母乳からも放射能が検出されたと原文を紹介している。ノンフィクションだけに、観客の心が一つところに結びつく。それは「地球は一つ、人間として何かをしなければならない」という問題点だ。【つづく】
■関連情報
連絡場所:オフィスリングシステム株式会社内「女劇TOKYO23KU事務局」
電話:03-5304-7670 FAX:03-5304-7671 メール:ors@idea.co.jp
女劇TOKYO23KU
記者HP:穂高健一ワールド
PJニュース.net
朗読劇に入ったとたんに、言語を絶する、悲惨な原爆投下の広島の情景が語られはじめた。
豊島くん「光ったと思った。どーんという腹の底に響くような轟音。私はどこかにひどく叩き付けられたように地に伏せていた。(省略)。私ははじめて顔に異常をおぼえた。ぬぐった顔の皮膚がズルッと剥がれた。ハッとした。ああ、この手は、右手は第二関節から指の先までズルズルに向けて、皮膚は不気味に垂れ下がっている。(省略)。私は3人の子の名をかわるがわる叫びながら『母ちゃんは死にはしないよ、大丈夫よ』と自分で自分をはげましつづけて走った」、と朗読する。(原作:あっ、落下傘だ、北山二葉さん)。
それはまさに原爆被害者たちの悲痛な叫びだ。犠牲者が目の前にいるような、リアリティに富む演技だった。会場全体には、被害者の「生の声」を聞き入るような雰囲気がただよう。
台東くん「夜、野宿して、やっとたどり着いたら、お父ちゃんしかいなかった。お母ちゃんと、ゆうちゃんが死んだよお(後略)」
全員「ああ、お母ちゃんの骨だ、ああ、ぎゅっとにぎりしめると白い粉が風に舞う」
板橋くん「絶えがたい悲しみが、残された父とわたしに襲いかかって、大きな声をあげながら、ふたりは骨をひらう。菓子箱に入れた骨はかさかさと音を立てる」
文京くん「弟は、お母ちゃんのすぐそばで、半分、骨になり、内臓が燃えきらないので、ころりと、転がっていた。その内臓に布団の綿がこびりついていた。死んでしまいたいと、お父ちゃんは叫びながら、弟の内臓を抱いて泣く」
港くん「わたしはひびの入った湯飲み茶碗に水をくむと、弟の内臓の前においた。父は配給のカンパンを出した」(原作:ヒロシマの空、林幸子さん)
この光景は約60年前、実際に日本で起きた出来事なのだ。観客の多くは涙を拭いながら、舞台をじっと観ている。戦後の一時期を除けば、こうしたテーマ劇はだんだん消えていった。理由の一つには、原爆投下したアメリカに政治的な遠慮と配慮があったからだ。演劇人までも組み込まれてしまった。
『女劇TOKYO23KU』はそれらタブー視にも押しつぶされず、人間として、女として伝えなければならない、と果敢に立ち向かう。広島・長崎の原爆被害だけにかぎらず、チェルノブイリにも目を向けている。演劇の一部を抜粋してみたい。
足立くん「テレビやラジオはすでに(チェルノブイリ)事件がおきたことを伝えていた。いわく、何も怖いことはない。政府は事故処理に着手している、と(後略)」
港くん「私たちは病気だといわれている。地区の人びと全部がおなじ病気にかかっているのだ。病名は放射能恐怖症。年齢も、からだの発達も、性格も、じつにさまざまなのに、私たちはみな一人残らず、どうして病名だけはおなじなのか」
品川くん「この地区の人びとの健康状態に異変が起きているというのは本当ですか」
板橋くん「本当です。頭痛や腹痛などのほかに、乳がんを発病する女性の年齢が30歳から40歳まで下がりました。小児ガンは減りましたが、成年の発症数が激増しています」
大田くん「原発事故後、甲状線ガンが多発しました」
板橋くん「甲状腺を摘出した子どもは、一生ホルモン剤を投与し続けなければなりません」(原作:広河隆一さん作品集より)
チェルノブイリ事故では、大量の放射能が噴出した。8000キロ離れた日本にもやってきて、海藻類、野菜、母乳からも放射能が検出されたと原文を紹介している。ノンフィクションだけに、観客の心が一つところに結びつく。それは「地球は一つ、人間として何かをしなければならない」という問題点だ。【つづく】
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連絡場所:オフィスリングシステム株式会社内「女劇TOKYO23KU事務局」
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女劇TOKYO23KU
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一
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