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タブーへの挑戦、美人女優たちの道(上)

2007年01月03日08時58分 / 提供:PJ

pj
タブーへの挑戦、美人女優たちの道(上)
導入部では、軽快なリズムでダンスを披露する、女優ユニット。(撮影:穂高健一)
正月にはだれもが新しい気持ちになるし、ことし一年間の幸福や飛躍を望む。新年にふさわしい紹介すべき人たちを考えてみた。発展途上にある女優ユニットを紹介することに決めた。04年にスタートした『女劇TOKYO23KU』のメンバーは女優9人で十代、および二十代。彼女たちの活動には斬新さ、勇気、逞しさがある。みずから台本を書き、舞台で演じる。それはある種の朗読劇で、観客の心に深く立ち入る、内容の濃いものだ。

 女優ユニットのメンバーは実名でなく、大田くん、品川くん、港くん、台東くん、文京くん、練馬くん、足立くん、板橋くん、豊島くんと東京23区を使う。彼女たちのユニフォームの背中には区名が書かれている。約2年間の長い修行の道を経て、06年12月18日、東京・千代田区一番町のカスケードホールで、デビュー公演をおこなった。

 劇のテーマは「被爆による人類の悲しみ、将来への不安と恐れ。そして、一縷の希望」だ。広島・長崎の被災者の生々しい悲惨な状況、チェルノブイリの犠牲者、原発への住民の不安などを朗読劇として演じていた。「いま、人間として、何をしなければならないか」と問うもので、観客にも強く考えさせる内容だった。

 台本制作は、まず被爆の悲惨な状況を直視することからはじまった。数多くの文献や資料を読みこなし、一つのものに作り上げていく。同時に、近い将来母親になるだろう、女として、素朴で率直な不安を台本のなかに組み込んでいた。
 
 このテーマは思想的な色が強くなるといい、多くの演劇人はそうした批判を恐れるあまり、避けて通る。あるいは故意に目を逸らす。つまり、演劇ではタブー視されているのだ。彼女たちはそれを恐れていない。

 約200人の観客のなかには木全ミツ(きまたみつ)さん(女子教育奨励会理事長、元国連公使)、松井久子さん(映画監督)、河野正義(エネオスフロンティア常務執行役員)、ジョールさん(ハンガリー大使館参事官)などの顔ぶれもあった。

 女優ユニットは約2年間の修行のなかで、精神力を鍛えるために『23区の清掃活動』を掲げてきた。彼女たちはユニフォーム姿で、夜明けの新宿区・歌舞伎町で、路上の掃除などをおこなう。女優ユニットの発足時には23区がそろった、23人のメンバーがいた。厳しく長い下積み生活に耐えられず、仲間が一人去り、二人去っていった。

 残った女優9人は団結を強めて小学校から大学、さらには各施設を巡回し、修業の公演、内演会をおこなってきた。

 テーマ劇だけに、強い逆風にも遭う。20人ほど集まった、ある会場の観客から、「原発は電力需要にこたえる必要なものだ。事故を強調しすぎている。東電、関電に絡む企業は無数にいる、それらを逆なでするような演劇は得策ではない」という趣旨の、アドバイスという名を借りた批判があった。

 メンバーは大粒の涙を流しながら、「私を含めた女性はいつか子どもを生みます。母体が被爆した、子どもを産みたくない。そんな社会であってほしくないのです」と訴えていた。女として、悲惨な世の中を作りたくないと心から訴える。これこそ本ものの演劇だ、芸術だと思った。

 その後も、9人の女優は打ちのめされることもなく、活動を続けてきた。同女優ユニットがかつて公演したことがある東京・練馬区立中村中学校から足立和明校長が、生徒たちからの反応や評判がよかったからだろう、デビュー公演に駆けつけてくれていた。1月19日に訪問公演が決まっている、中野区立第十一中学校の矢口仁校長もいた。【つづく】

■関連情報
女劇TOKYO23KU

記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

関連ワード:
国連  チェルノブイリ  映画  ワールド  教育  
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