高齢ドライバーを考える(上)
2006年12月19日12時44分 / 提供:PJ
東京都内だけでも65歳以上の免許保有者は10年後には倍増すると予想されているというが、それは都内だけのことではなく確実に全国区の問題でもある。確かに一部の教習所では高齢者向け運転実技講習も行っており、免許更新時に70歳以上の高齢者には特別講習も設けられてはいるが、その他に任意自動車保険の掛け金や支払い問題のトラブルも表面化してくることは間違いないと思える。
「二十歳だから成人」という認識も歪んできている昨今、そもそも何歳からが高齢者という定義なのだろうか。実際に「厚生労働省・社会援護局」に問い合わせても、法律的には定めておらず、社会保険受給資格や介護保険適用などの年齢などで一応区別しているだけという回答であった。
結局は、自己診断、自己認識、周囲診断、周囲認識になってしまうのだが、心身機能が低下していく高齢者が一般のドライバーと同じ車に乗っていることが疑問という考えも生まれてくる。高齢者ドライバーの任意保険加入で数社の損保会社へ下記のような状況の場合どうなるのか問い合わせをしてみた。
・自動車任意保険に加入後、事故(対人、対物、自損)が発生
・加害者、被害者双方の立場になる場合も想定
・事故発生後、自身も負傷し病院にて治療
・治療時に、負傷以外の身体能力低下が発覚
・例えば、「視力低下」による運転不適と診断
・その事実を加入保険会社が知り得た場合の保険適用はされるのか
各保険会社の答えとして共通していたのは、直ぐには返答されず、「約款」上で決められている内容を読み下した説明だけであった。運転免許の有効期間は通常3年〜5年である。この期間はある程度の年齢に達した場合どう考えるのか。次回更新までの3年〜5年の間に身体能力が著しく落ちるケースも当然あるのではないか。
しかし、あくまでも自身で低下していないと自覚してしまえばそれが全てである。例えば、視力の衰えで夜間の視覚が低下し、結果事故に至る。発生後に「実はこうだった」と判明する。そのような、身体能力低下による保険適用は明確にはなっていないようだった。今後は、「今まではこうだった」というケースは適用されなくなる可能性は高い。保険会社も経営上できるだけ高額保証は避けたいが故に、トラブルに発展するケースも増加すると考える。高齢者の事故は「起こさないように」よりも「起こさせない」という考え方が周囲にも必要になる。事故は1人だけの問題ではない。
そのうち、「70歳以上不担保」「65歳以上不担保」のような、高齢者ドライバーの運転リスクに対応した任意保険が出てくるのかもしれない。65歳以上のドライバーによる交通事故に伴う経済的損失が最近5年間で1.6倍に増加し、20年後には現在の4倍近くの約1兆円に上るとみられることが推計でも出されているという。事故が増えれば保険も加入条件が厳しくなり、掛け金が高くなる可能性もある。したがって、運転を控え消費も下がってしまう傾向も生まれるかもしれない。代替の交通手段が行政等で確立できるのであろうか。確実に民間企業の参入も始まってくることにもなる。しかし、小回りが効かなければ不便になるのは必然だ。
となると、自らハンドルを握るしか方法がなく、しかし、保険未加入状態で運転・・・ということにもなりかねない。これは、かなりの空論だろうか。まさか自分が・・・大丈夫だろうという心理は当然働いてしまうことにもなる。また、自治体を含め行政や福祉関連とのネットワークをつくり、対応していく事も必要だと思える。いずれにしても視点を変えていく必要はあるはずだ。【つづく】
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「二十歳だから成人」という認識も歪んできている昨今、そもそも何歳からが高齢者という定義なのだろうか。実際に「厚生労働省・社会援護局」に問い合わせても、法律的には定めておらず、社会保険受給資格や介護保険適用などの年齢などで一応区別しているだけという回答であった。
結局は、自己診断、自己認識、周囲診断、周囲認識になってしまうのだが、心身機能が低下していく高齢者が一般のドライバーと同じ車に乗っていることが疑問という考えも生まれてくる。高齢者ドライバーの任意保険加入で数社の損保会社へ下記のような状況の場合どうなるのか問い合わせをしてみた。
・自動車任意保険に加入後、事故(対人、対物、自損)が発生
・加害者、被害者双方の立場になる場合も想定
・事故発生後、自身も負傷し病院にて治療
・治療時に、負傷以外の身体能力低下が発覚
・例えば、「視力低下」による運転不適と診断
・その事実を加入保険会社が知り得た場合の保険適用はされるのか
各保険会社の答えとして共通していたのは、直ぐには返答されず、「約款」上で決められている内容を読み下した説明だけであった。運転免許の有効期間は通常3年〜5年である。この期間はある程度の年齢に達した場合どう考えるのか。次回更新までの3年〜5年の間に身体能力が著しく落ちるケースも当然あるのではないか。
しかし、あくまでも自身で低下していないと自覚してしまえばそれが全てである。例えば、視力の衰えで夜間の視覚が低下し、結果事故に至る。発生後に「実はこうだった」と判明する。そのような、身体能力低下による保険適用は明確にはなっていないようだった。今後は、「今まではこうだった」というケースは適用されなくなる可能性は高い。保険会社も経営上できるだけ高額保証は避けたいが故に、トラブルに発展するケースも増加すると考える。高齢者の事故は「起こさないように」よりも「起こさせない」という考え方が周囲にも必要になる。事故は1人だけの問題ではない。
そのうち、「70歳以上不担保」「65歳以上不担保」のような、高齢者ドライバーの運転リスクに対応した任意保険が出てくるのかもしれない。65歳以上のドライバーによる交通事故に伴う経済的損失が最近5年間で1.6倍に増加し、20年後には現在の4倍近くの約1兆円に上るとみられることが推計でも出されているという。事故が増えれば保険も加入条件が厳しくなり、掛け金が高くなる可能性もある。したがって、運転を控え消費も下がってしまう傾向も生まれるかもしれない。代替の交通手段が行政等で確立できるのであろうか。確実に民間企業の参入も始まってくることにもなる。しかし、小回りが効かなければ不便になるのは必然だ。
となると、自らハンドルを握るしか方法がなく、しかし、保険未加入状態で運転・・・ということにもなりかねない。これは、かなりの空論だろうか。まさか自分が・・・大丈夫だろうという心理は当然働いてしまうことにもなる。また、自治体を含め行政や福祉関連とのネットワークをつくり、対応していく事も必要だと思える。いずれにしても視点を変えていく必要はあるはずだ。【つづく】
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パブリック・ジャーナリスト 瀬畑 真一
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