冬季性うつ病ってご存じですか? 日照時間が短くなることで、体内時計が狂うことに起因するうつ病の一種。冬になるとなんだか心細くなりますよね。寒いし、夕方にはもう暗いし、気分も沈みがちになりませんか? でも気分の落ちこみが仕事や勉強にまで支障をきたすようになった場合、冬季性うつ病の危険信号がともっていると思っていいかもしれません。

 これは特に20代30代の女性に起こりやすい病気で、常に眠気を感じたり、過食気味になるといった症状が現れるんだとか。春になるとすっかり治ってしまうために、あまり気づかれない冬季性うつ病。どのようにして発症するのでしょうか?

 「日照時間の短縮は、体内時計の役割を果たすメラトニンの分泌を過剰にするという研究結果があります。また、神経伝達物質のセロトニン、ドーパミンの減少も見られるようになります」(某精神神経科医師)

 簡単に言うと、メラトニンは眠気を引き起こす物質。暗闇を感知すると分泌されます。これが日照時間の短縮により過剰に分泌され、常に眠気を引き起こしてしまうということ。すると生活も不規則になり、最終的に仕事や勉強に支障をきたしてしまうのです。日当たりの悪い部屋に住む人も、この症状に陥りやすいんだとか。

 では、冬季性うつ病を防ぐにはどうしたらいいのでしょう?

 「基本は早寝早起きを心がけ、よく日の光を浴びることですね。また、ビタミンやたんぱく質をよく摂ることも必要。セロトニンを体内に作ってくれるからです。病院での治療の場合は、太陽と同じくらいの強さの光を当てる、光療法も受けることができます」(同)

 やっぱり、早寝早起きの規則正しい生活は何に対しても一番の健康法なんですね。休みの日も寝てばかりいないで、外に出て日光浴するのもいいかもしれません。いい気分転換にもなりますしね。(加藤克和/verb)