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「隗より始めよ」労働時間の事務労働者適用除外

【PJ 2006年12月14日】− ホワイトカラー・エグゼンプションの導入が注目を浴びている。事務労働者への労働基準法の労働時間の規制を適用除外にするもので、究極の残業代のカットである。財界の後押しを受け、政府・厚生労働省は来年2月には「法案」を提出する予定ともされている。

 もし、この導入を民間に行うならば、その前に、公務員で先ず行ってはどうだろう。公務員の方々の意識改革を含めて、また、常に民間をベースとして決めてきた公務員の給与体系を、今度は官をベースに民間に普及させればよいのではなかろうか。

 「隗より始めよ」の故事は、中国戦国時代の郭隗が王に「自分のようなあまり優れぬ者を厚遇することから始めると、より優秀な賢者たちが王の許へ集ってくる」と説き、一つの喩えを話したという。昔ある王が長いこと名馬を探していた。王の近臣は遠方で五百金も出して名馬の骨を買って帰ると、「死馬の骨でさえ大金で買うほどだ。生きた馬なら、さぞ高く売れるだろうと名馬の売り手が集ってくる」と進言した。案の定、王は千里の名馬を三頭も手に入れた。(昭文社刊 故事ことわざ辞典)

 まさに、この故事を実現する事になると想像される。何かと問題を抱えている公務員に、ホワイトカラー・エグゼンプションを導入すれば、国家予算・地方自治体予算がどれだけ人件費部分で助かることであろう。そもそも民間に比べての厚遇が目立つ公務員(当然、現業公務員は除外せざるを得ない。しかし、教職員は含まれる)が、公僕に戻る良いチャンスである。また、議員・特別職も含めて、その働きに準じての報酬体系を導入するべきであろう。

 労働運動総合研究所の試算では、年収400万円以上のホワイトカラー労働者1013万人への支払残業代は、11.6兆円になるという。この試算のホワイトカラーに公務員が含まれているかは不明であるが、国民の多くに強いることならば、先ずは、「隗より始め」その成果を十分に出る事を示すべきだ。そうすれば、喩え話のように、多くの企業がなだれをうって、このホワイトカラー・エグゼンプションを導入する。

 財界主導のこのホワイトカラー・エグゼンプションは、「地位・権限・責任・部下の人数とは、無関係」に事務労働者ならば、労働時間の規制の対象外という提言である。企業は、それによる人件費の抑制を図り、より利益をあがる体質に転換したい本音の部分だ。成果主義のアメリカでは、それは当然とされているのだが、日本の現実の社会にこのホワイトカラー・エグゼンプションが導入され、うまく定着するとは今ひとつ考えられない。それは、企業風土がアメリカとは根本的に異なるし、資本主義の成熟度が全く違うのだ。

 何でも、アメリカ一番は敗戦直後の話であろう。それでも、日本の交通は、右側交通を維持できた。あの時、左側交通に切り替えておけば、日本の自動車産業の発達は相当異なった状態になったと思われる歴史的事実でもある。

 どうしても、ホワイトカラー・エグゼンプションを導入したいのならば、日本株式会社の総本山である、公務員への導入から初めて頂きたい。多くのサラリーマンの根本を揺るがすホワイトカラー・エグゼンプションは、「隗より始めよ」である。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 鈴木 修司【 愛知県 】
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