e-Tax対応ICカードリーダライタの新機種「SCR331CL」を発表
 ICチップを搭載した「住民基本台帳カード(住基カード)」を使って様々な行政手続きができるようになってきていることは多くの方が耳にしているだろうが、実際に試された方はまだ少ないかも知れない。しかし今、住基カードに対応したICカードリーダライタを購入する人が急増しているというのだ。これは、住基カードが国税電子申告・納税システム「e-Tax」にも利用でき、最高5,000円の税額控除が適用される優遇制度によって、住基カードが増えたことによるものだ。

 e-Taxを利用するには、自分の居住している地方自治体で住基カードをあらかじめ取得し、「公的個人認証サービス(JKPI)」で電子証明書を取得しておくことのほかに、住基カード内の電子証明書を読み取る「ICカードリーダライタ」が必須となる。本記事では、全国の住基カードに対応したICカードリーダライタを提供しているNTTコミュニケーションズ(NTT Com)に、同社製品の特長について話を聞いた。

◆用途に応じた豊富なラインアップ

 NTT Comは昨年11月、e-Tax対応ICカードリーダライタの新機種「SCR331CL」を発表した(写真左)。ICカードには「接触型」(ICチップが直接通信する方式)と「非接触型」(ICチップは隠れており、カード内アンテナが通信する方式で、SuicaやFelicaなどもこのタイプ)がある。本来、住基カードは「非接触型」を仕様としているが、自治体によって非接触型と非接触・接触共用型に分かれており、住基カード用にリーダライタを購入する際にはタイプにより選択できる機種が異なる。各自治体がWebサイトなどで推奨機を公開しているが、NTT Comの新機種「SCR331CL」は、市場でも数少ない非接触型ICカード対応のリーダライタで、すべての住基カードに対応している。

 NTT Comでは、接触型USBタイプの「SCR3310」に始まり、接触型PCカードタイプの「SCR243」や共用型USBタイプの「SCR331DI」と、利用シーンや用途に応じた機種を用意し、今回の「CR331CL」で全4機種を揃える。価格も2,500円前後からと低価格で、これほどのラインアップを揃えているメーカーはほかにはないという。NTT Comは、2000年よりコンシューマ市場でICカードリーダライタを手がけており、利用シーンに応じた機種を安価に投入してきている。新機種「SCR331CL」は、共用型USBタイプ「SCR331DI」の廉価版として、かつe-Taxにも対応させた製品となる。

◆すべての住基カード・税理士カードに対応

 開発を担当したNTT Comの金融イノベーションシステム部 セキュリティビジネス部門 担当課長の鈴木啓之氏は、「SCR331DIは通信インタフェースが接触型と非接触型のどちらにも対応する様に作られたが、それを非接触型のみとすることによりコストダウンし、新しいICチップにも対応させた。全国の20数種類の住基カードすべてとの通信を可能とするために苦労した」と語る。新機種SCR331CLでは、住基カードのほかに、すべての税理士カードにも対応しており、個人だけでなく法人の電子申請にも利用できる。

 また、デザインも従来機種とは大きく異なり、白を貴重に曲線を使ったスタイルを採用しているのも特長だ。ICカードを立てかけられる着脱可能なクレイドルも付いている(写真左)。デリバリ全般を担当している金融イノベーションシステム部 ITデザイン&マネジメント部門 担当課長の藤本勉氏によると、「ICカードをクレイドルに置くだけで読み取りができる操作性はもちろんだが、デスクトップの省スペース化や、デスクトップ面がスチールの場合に電波影響を受けにくくする狙いもある」とのことだ。また、本体の厚さは8mmと世界最薄(写真右)。持ち運びやすさも考慮したデザインとなっている。