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非営利団体も「産業財産権」のセンスを(上)

非営利団体も「産業財産権」のセンスを(上)
商標登録:第4385431号、権利者:彦根市、指定商品:せっけん類・家具・ナプキンホルダーほか多数。(撮影:浅野 勇貴)
【PJ 2006年12月05日】− 商標権という権利は企業などが、自分のネーミングを独占的に利用できるようにすることによって、ブランドの維持管理に使うものです。他の人が使えないということは、粗悪なコピー商品に自分の名前がついていたら排除できるということです。

 また、ブランドは「あれもこれもではなく、あれかこれか」で管理する必要があります。例えば、ソニーという有名な電器分野のブランドがありますが、「ソニー」という名前の顧客吸引力を用いて「ソニーブロードキャスト」というサービスを行えば人気が出そうですが、「ソニーうどん」という商品を作ったらソニーのイメージが薄くなる危険があります。

 こういう希釈化につながる商品は自社が作らなくても他人が作ってしまうことがあります。これを止めさせるためにも商標権という権利が必要です。「名は体を現す」といいますが、名を守って体も守れるのが商標権です。

地域団体商標
 この商標権なのですが登録にはいくつかの条件があり、この中に困った条件があります。それは「地名+普通名詞」だけではダメというものです。地名(兵庫とか千葉とか)は独占していけないのは当たり前ですし、普通名詞(うどんとかラーメン)は皆が使えたほうが良いという考え方があるからです。

 しかし、これで困ってしまうのは地域の生産者達です。「高崎だるま」という群馬県のブランドがありますが、例えばの話ですが、他県の全く関係ない人が粗悪な人形を作って、「高崎だるま」と書いて売ってしまっても、商標権を理由にして差し止める術がないのです。

 そこで、地域団体商標という制度ができ、すでに知られている名産品を作っている地域の団体に限っては、地名や普通名詞でも商標登録できるということになりました。これによって、「高崎だるま」や「関あじ・関さば」などは地元の生産者しか名乗れなくなり、厳しくシャープなブランドの維持管理ができるようになりました。

地域が使える商標制度は地域団体商標ばかりではない
〇文化財を産業財産権で守る
 彦根市が持つ文化財で有名なものに「国宝紙本金地著色風俗図(彦根屏風)」があります。なんと、彦根市はこの屏風の絵そのものを商標登録しました。これは図柄という扱いですから、地域団体商標ではなく普通の商標登録です。屏風の絵を商標登録するという発想にはとても驚きます。屏風の絵はとっくに作者が亡くなってから50年を経過していますので、著作権法では権利を守れないということもあるかもしれません。

 そして、「国宝紙本金地著色風俗図の商標使用に関する条例」という条例を作りました。地方自治体が産業財産権の重要性を認識し、条例を制定するという珍しいケースです。これは使用に関する申請方法や拒絶する際の要件を定めたものです。屏風の絵を利用させてよい相手を市が選べるようになったと考えることもできます。例えば、呉服屋が着物に刷り込むというケースは許可するでしょうが、わいせつビデオのパッケージに使ったとなれば市は権利行使するでしょう。

 法哲学的には公有財産の利用者を行政側が選択できるという点で疑問点が残るのですが、やはり市の文化の信用力を守るためには妥当なのでしょう。良いものに自分の文化財が刷られるようになれば、文化財の価値の寿命も延びるでしょう。写真の2枚目を送信します。これで以上です。【つづく】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 浅野 勇貴【 埼玉県 】
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