「おまとめローン」問題あり 地銀頭取、金融庁から警告受ける
2006年12月02日13時51分 / 提供:J-CASTニュース
消費者が借りている複数のローンを1本化する、いわゆる「おまとめローン」が「多重債務の温床になりかねない」と、金融庁が地方銀行の頭取らに直接、「警告」していたことがJ-CASTニュースの取材でわかった。
銀行のおまとめローンは、テレビCMで積極的に宣伝している東京スター銀行をはじめ、現在は信用金庫や信用組合まで、数多くの金融機関で取り扱っている。複数の消費者金融や信販会社などから、高い金利で借金をしている人を対象に、その債務(住宅ローンやマイカーローンなど資金使途の明確なローンを除く)を1本化して月々の返済負担を軽減する借り換え商品で、多重債務者にはありがたい商品と見られている。銀行のみならず、プロミスやアコムなどの消費者金融大手やモビットなどの銀行系消費者金融も取り扱っており、「おまとめローン」市場は密かに活況を呈している。
信販会社や消費者金融が保証会社となっているケースが少なくない
銀行にとっては「多重債務者の救済」という大義名分から取り組みやすく、また1件あたり30万〜50万円が中心の個人ローン商品にあって、300万〜500万円のまとまった資金を、年14%程度の金利で提供できるメリットがある。
ところが最近、金融庁に対して「(銀行のおまとめローンを借りたのに)かえって負担が増えた」「銀行で借りたのに、『保証会社だ』といって消費者金融業者から督促がきた」といったクレームが、債務者本人やその親族などから多数寄せられているという。
「負担が増えた」とのクレームについては、たとえば月10万円を返済していた人が、おまとめローンに借り替えたことで返済額が月5万円になったとしても、空いた5万円の返済枠でまた別の金融機関からおカネを借りてしまうケースだ。
ある地銀の幹部は、「そもそも借り手が多重債務者なのだから、使ったおカネもギャンブルなどの遊興費。返済に余裕ができても結局、自転車操業を繰り返す」と、おまとめローンの借り手が再び多重債務者の道を歩んでしまう可能性を認めている。
一方、この商品は信販会社や消費者金融が保証会社となっているケースが少なくないので、延滞が続くと保証会社である消費者金融業者などが借り手に返済を求めることになる。そのことに法的な問題はないが、保証会社がどこか、顧客が知らなかったとしたら、縁が切れたと思っていた消費者金融からの督促にあわてる債務者や連帯保証人がいても不思議はない。金融庁は銀行に対して、「提携している保証会社についても、きちんと説明すること」を求めた。
消費者がヤミ金融に流れる懸念がある
さらには、債務者によっては消費者金融からの借り入れについて過払い利息の返還を求めているケースがあり、「債務者の本当の借金がどのくらいになるのか、きちんと把握してからローンを実行するよう丁寧に対応してほしい」と指導している。
2006年12月10日号の読売ウイークリーでは、「多重債務者の生活再建 こう進める」と題して、岩手県盛岡市の「岩手県消費者信用生活協同組合」がカウンセリングなどを行いながら「借金の原因を根治」する取り組みを紹介しており、それが東京都や千葉県などに広がっていると紹介している。
その記事中、改正資金業法によって既存の貸金業者数が減ることで「貸し渋り」や「貸しはがし」が起こり、消費者がヤミ金融に流れる懸念があると指摘。その際に、「借金の1本化」を取引のきっかけにするケースが増えている、と伝えている。
貸し出しが伸び悩んでいるからといって、多重債務者相手のおまとめローンが銀行のヒット商品とは…。しかも、その保証業務を消費者金融などに任せて取り立てるというのだから、クレームにならないほうがおかしい。
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