デモ画面
 マイクロソフトは27日、同社の組込みOS製品によるカーナビ開発の最新情報を紹介するセミナーを開催した。「Microsoft Car Navigation Day 2008」と題した本セミナーの午前の部では、Microsoft Auto 3.0およびWindows Automotive 5.5を中心とした車載情報端末向け製品の最新情報が、デモを交えながら紹介された。本記事では午前の部のうち、主に日本のカーナビメーカー向けに開発されている車載プラットフォーム「Windows Automotive」に関して、HMI(Human Machine Interface)ツール「AUIF」、および起動高速化やエラーリカバリ最適化を実現する「Ready Guard」を紹介した2つのセッションについてレポートする。

◆AUIF:高品位3Dメニュー開発を実現する統合HMI Framework

 HMIツール「AUIF(Automotive User Interface Framework)」の説明は、マイクロソフトディベロップメント ITS戦略統括部の藤井義也氏によって行われた。そのコンポーネントは大別すると、オーサリングツール、HMIデータモデルからバイナリスキンを出力するコンパイラ、そして、ターゲットデバイス上でバイナリスキンを動かすAUIFランタイムの3つになる。

 このうちオーサリングツールは、高品位HMIをデザインするツールとして「Microsoft Expression Blend」が、車載情報端末に必要とされる1,000を超える画面の状態遷移図を記述するツールとして「Office Visio」が、それぞれマイクロソフトから提供されており、これらを使って、UML(統一モデリング言語)2.0のステートマシンチャートをベースとした汎用的なHMIデータモデルを管理・保存することができる。

 セッションでは、AUIF Frameworkで開発された3Dメニューのデモが行われ、3Dのオブジェクトを動作させるアニメーションを定義してメニュー画面を遷移させることにより、メインメニューからサブメニュー、履歴リスト、履歴詳細へと遷移していく様子が紹介された。こうした3Dメニューも、「Microsoft Expression Blend」から簡単に定義でき、3Dとモーションフィードバックの機能追加はAUIFランタイムの一部拡張で実現するという。

 なお、AUIFはWindows Automotive 5.5に標準装備されているが、先行評価用のTechnical Previewとしてのリリースとなっている(Vol.2で伝えたとおり将来はSilverlightへ統合されて製品提供の予定)。

◆Ready Guard:車載情報端末に求められる高速起動化、エラーリカバリ最適化を実現

 続いてマイクロソフトディベロップメント ITS戦略統括部の五嶋健治氏により、「Ready Guard」の特長と動作概要の紹介、および高速起動とエラーリカバリのデモが行われた。

 Ready Guardの第1の特長は、静的スレッド構成のReady Guard OS(Tiny WinCEコアベース)を高速起動する点にある。また、これを動作させたままでサブとメインの2つのOSが立ち上がった状態になるのを避けるために、スレッド状態を動的スレッド構成のメインOS(通常のWinCEコア)へ引き継ぎ、継続実行する。

 Ready Guardにより、車載LAN対応100msec以内、オーディオ再生2sec以内、地図描画5secといった起動時間の要求を、様々なH/W、S/W構成において満たすことができるという。また、困難な機能をブートローダ上で開発する必要がないため、ブートシーケンスの開発工数削減を実現。さらに、ラストモードにも対応しているため、最終画面保持やオーディオプレイバックなどの機能が可能になる。Ready Guardは複数の起動高速化要素技術と組み合わせた利用が可能で、Windows AutomotiveのSnapshot Bootやイメージ多段ブート、アプリケーションランチャーの機能、およびWindows CEのRAM初期化スレッドやHive-based Registryなどに対応している。