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有限会社制度の廃止は正しかったのか

【PJ 2006年11月28日】− 効率化や国際化などで変革要請をうけていた商法は大幅に改正され、平成17年7月の公布(平成17年7月26日法律第86号・平成18年5月1日施行)により会社法は、商法から形式上分離することとなった。これによって従来の商法第2編に定められていた会社法規定と、商法特例法および有限会社法の規定はすべて廃止され、新たな「会社法」にそれらはすべて一本化されることになった。有限会社の形態は廃止され、株式会社の形態に統合された。現在、事業主は新たに有限会社を設立することが不可能であり、施行までに存在した有限会社が存続を許されるのみである。

 有限会社の特徴を挙げてみると、取締役が1人でも会社を作れること、取締役の任期がないこと、取締役会を置かなくても良いこと、監査役を置かなくても良いこと、決算公告の義務がないことである。小規模の事業を企画する者にとっては、使い勝手のよい制度であったと評価されている。

 既存の有限会社から株式会社に移行することによる利益は、株式や社債などを活用した資金調達の多様性が得られること、人材の採用、取引などの場面で有利となりうることである。一方、有限会社から株式会社に移行することによる不利な点は、株主総会をし決算承認をし、決算公告をする義務が生じることである。

 有限会社を株式会社制度に合併することは、法運用上は効率性を生むと考えられる。しかしながら、事業者にとっては、有限会社より運営に手間がかかるというのも事実である。また、株式会社や有限会社という名前から第三者は事業規模や事業形態を有る程度推し量ることが可能であったし、事業者もそれを意識していたと考えられる。株式会社のうちで簡易(取締役が1人存在するのみの会社など)でかつ小規模なものについては、有限会社と称し決算広告の義務内容を簡素化することを可能にすることは、社会的要請にも適うであろうし、政策上の観点からも有益であると思われる。有限会社制度の株式会社制度への統合が、どのような功罪を生むか慎重に見守り続けなければならない。【了】

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パブリック・ジャーナリスト 木下 博之【 東京都 】
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