夕張市破綻、国は憲法25条にどう対処する(上)
2006年11月25日08時00分 / 提供:PJ
北海道・夕張市(後藤健二市長)は9月29日、地方財政促進特別措置法第22条に規定される準用再建制度に基づき、財政再建団体指定申請を市議会で了承した。そして、この11月14日にA4版の「夕張市財政再建の基本的枠組み案について」がまとめられ、公表された。現在、この資料に基づき市内6地域で順次、住民説明会が開催されている。ここ数日、TVや新聞で住民が市に対して大きく反発し、不満を述べる映像が流され、またその状況が記事として報道されている。
住民に示された「財政再建の基本的枠組み案」に目を通してまず気づくのが、財政再建団体への転落という事実に対する夕張市の認識の甘さである。市議会での申請議決から1カ月半、いや申請を検討し始めた段階から計算すれば、再建案の具体化には相当な時間的余裕があったはずである。1頁目にある「今後、再建計画を具体化する中で、さらに歳出の削減等の見直しをすすめてまいります」と他人事のように述べる言葉に、破綻・倒産といった切迫感は伝わってこない。
しかも、その資料は冒頭に述べたようにA4でたった5枚の紙切れのみである。その内容は、歳出削減については、職員数を「同程度の団体(自治体)の2倍程度いる職員数を平成21年度当初までに平均以下とし、平成22年度当初までに同程度の市町村の最小の規模にします。人口の減少に沿って、さらに削減を進めます」。また給与水準等の引き下げは「職員の年収は平成17年から平成19年の間に最大で約4割減額となります」と、倒産した私企業であれば何を能天気なことを言っているのかといった微温的な言葉が並んでいる。その他項目でも、「物件費4割程度の削減」、各種団体等への「補助金削減は8割程度削減」といった細目の示されていない大雑把な数字がただ羅列されているだけである。
その一方で、住民負担の増加については市民税(個人・均等割)3000円から3500円、市民税(所得割)6.0%から6.5%、固定資産税1.4%から1.45%、入湯税新設150円というふうにやけに詳細に記述されている。こうした内容の記述自体が、この資料が住民に負担増を強いるためだけに作成された説得資料であることを如実に語っているように思えてならない。
この事態に至った原因と行政の責任の所在については、「不適正な財政運営により膨大な赤字を抱えたことを深く反省し」と冒頭に述べるに止まり、その責任の取り方を示す文言は具体的にどこにも記述されていない。その認識の甘さと責任の取り方については、行政サービスをどう継続していくのかという対応策とは別に、今後とも糾弾されていかねばならぬ重要な問題である。【つづく】
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住民に示された「財政再建の基本的枠組み案」に目を通してまず気づくのが、財政再建団体への転落という事実に対する夕張市の認識の甘さである。市議会での申請議決から1カ月半、いや申請を検討し始めた段階から計算すれば、再建案の具体化には相当な時間的余裕があったはずである。1頁目にある「今後、再建計画を具体化する中で、さらに歳出の削減等の見直しをすすめてまいります」と他人事のように述べる言葉に、破綻・倒産といった切迫感は伝わってこない。
しかも、その資料は冒頭に述べたようにA4でたった5枚の紙切れのみである。その内容は、歳出削減については、職員数を「同程度の団体(自治体)の2倍程度いる職員数を平成21年度当初までに平均以下とし、平成22年度当初までに同程度の市町村の最小の規模にします。人口の減少に沿って、さらに削減を進めます」。また給与水準等の引き下げは「職員の年収は平成17年から平成19年の間に最大で約4割減額となります」と、倒産した私企業であれば何を能天気なことを言っているのかといった微温的な言葉が並んでいる。その他項目でも、「物件費4割程度の削減」、各種団体等への「補助金削減は8割程度削減」といった細目の示されていない大雑把な数字がただ羅列されているだけである。
その一方で、住民負担の増加については市民税(個人・均等割)3000円から3500円、市民税(所得割)6.0%から6.5%、固定資産税1.4%から1.45%、入湯税新設150円というふうにやけに詳細に記述されている。こうした内容の記述自体が、この資料が住民に負担増を強いるためだけに作成された説得資料であることを如実に語っているように思えてならない。
この事態に至った原因と行政の責任の所在については、「不適正な財政運営により膨大な赤字を抱えたことを深く反省し」と冒頭に述べるに止まり、その責任の取り方を示す文言は具体的にどこにも記述されていない。その認識の甘さと責任の取り方については、行政サービスをどう継続していくのかという対応策とは別に、今後とも糾弾されていかねばならぬ重要な問題である。【つづく】
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 野田 博明
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