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地方分権の前にやるべき地方行政の浄化(下)

【PJ 2006年11月18日】− (上)からのつづき。その矢先の度重なる県政トップの汚職による逮捕劇である。「地方公共団体の自主性及び自立性を高めることによって、地方公共団体が自らの判断と責任において行政を運営することを促進し、もって個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図る」と謳われた理念とあまりにかけ離れたこの醜態と国民に対する裏切り行為をこの両知事はどう弁明するのだろうか。

 とくに木村良樹和歌山県知事は、平成15年5月に税源移譲問題に関連して、革新的知事の一人として、浅野史郎宮城県知事(当時)、麻生渡福岡県知事、北川正恭前三重県知事らで作る「地方分権研究会」のメンバー連署で、「三位一体改革の実現に向けての緊急声明」を発表している。そのなかで、「地方分権改革の目的は、住民と自治体が、国の関与と庇護から脱却し、地方のことは自ら決定し自らその責任を負う、自ら調達した財源で自ら立案した政策を実施するという、自立した地方自治を確立することである」と、強くアピールした。

 今日の県政トップの相次ぐ逮捕劇を目の当たりにすると、税源移譲をして地方に好き放題させて、本当に大丈夫なのか、こうした地方行政を私(わたくし)する光景を見せられた暁には、まだ地方分権などこの国民にとっては時期尚早なのではないか、中央の監視の目が行き届かなくなるともっと地方での自侭な運営がなされてしまうのではないのかと、真剣に心配になってくる。同時に、両知事の厚顔無恥振りには正直、吐き気をもよおす。

 改革推進法の目的に言われる「国民がゆとりと豊かさを実感し、安心して暮らすことのできる社会を実現することの緊要性」とは、地方分権以前に地方行政の大掃除に取り組むべきことなのではないだろうか。われわれは、これから明治維新以来続いてきた中央集権国家という国の仕組みを見直し、地方に権限を委譲し、地方が自らの手で再生を図っていくあらたな仕組み造りに取り掛かろうとしている。まさに新しい国家像を具体的に議論していこうとしているのである。地方の再生、新しい国家像を議論しようとする動きに水を差した今回の両知事の責任は極めて重い。どんな理由があろうともあってはならぬことであった。さらに岐阜県や長崎県で発覚した裏金事件、奈良県職員の長年にわたり黙認されてきた病欠問題など地方行政の紊乱(びんらん)の根は深い。

 われわれは地方分権という高邁な国家の仕組み造りを行う前に、これまで以上に行政の姿勢に鋭く眼を光らせ、その浄化と透明性を高めていかねばならぬ。その正常化がなされてはじめて国民にとって意味のある地方分権が可能になるのだと考える。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 野田 博明【 東京都 】
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