決裁について

──電子ベースの決裁はどうしていたのか。

 お知らせメールが来る。で、ウェブサイトに行ってチェックチェック、みたいな。紙ベースでは主に交通費関係。電子稟議で重点的に見なければいけないのはキャッシュアウト。LDでは交際費はないが、たまに新参者が上げてくるので却下却下却下。

──備品関係は。

 パソコンは補助金を出して「自分で買ってください」とやっていた。僕が気づくのは細かいのが多いですよ。売り上げはガッポガッポ入ってくるとうれしい。貸し倒れには注意する。粉飾は意識しないですよ。

──実際に粉飾があったことは。

 昨年、ネットワーク事業部であった。優秀な営業マンだと思っていた社員が注文書を偽装していた。

──キューズ、ロイヤル関係の決済にサインした状況は覚えているか。

 覚えていない。

──こういうものが上がってきた時に、粉飾がないか探しながら決済するのか。

 顧問弁護士の承認メールが付いているのかを見て、サインをする。

──今、あがっている(粉飾とされた契約の)契約期間は、すべて7月1日から9月30日だが、契約日は契約期間を過ぎている。おかしいと思わないか。

 思わない。契約書の後付けはよくある。監査の人から文句は言われるが。

──(「社長堀江貴文さんから承認されました」というメールを示す)一つは9月21日、もう一つは9月26日になっている。これを見ると、作業期間はこれ以前だ。「俺の承認を得ないで作業をやっちゃったのか。こいつら、ちゃんと作業をやっているのか」と思わなかったか。

 思いません。執行役員がいるわけだし。

監査法人への対応

──熊谷さんから決算について監査法人から何か言われていると報告を受けたことはあったか。

 あると思う。(作業をしたことの証拠になる)資料が不足しているので、作らせるという話だった。

──熊谷さんは、あなたは少なくとも期ずれがあることは認識していたはずだと証言した。

 なぜそう思ったのかわからない。熊谷は現場の経験がないので、業界の慣行や実態を知らず、そう思ったのかもしれない。

──もし、監査法人に11月25日の時点で売り上げを見直せと言われていたら、どうしたか。

 厳格に対処していたのではないか。リリースうんぬんに関わらず、正しい情報を伝えることは、普通の事だと思う。

──売り上げに事実に反するものという認識は。

 ありません。

宮内被告らの横領背任疑惑について

──PTIというのは知っているか。

 知りません。

──企業買収にからみ、スキームを考案した野口さんが「自社株売却益の還流で儲かったら、少しくれよな」と言っていたという話は。

 知りません。

──もし言われていたら。

 なぜ支払わなければいけないのか、と言う。

──PSIは。

 知りません。

──エバートン経由で、50億円が借り入れられていたことは。

 知りません。

──エバートンから(MSCBの顧客を紹介してもらっていた)UBS証券の社員3人に3000万円ずつ支払われていることは。

 知りません。

──もし相談されていたら。

 不正だと思うので、止めていたと思う。

──トライン分の自社株売却益分が使われていたことは。

 知らなかった。

──宮内さんや中村さんがフェラーリに乗っていることは。

 知っていた。ファイナンスの社員が「あの白いフェラーリは宮内さんのなんですよ」と言っていた。宮内さんは、僕の中ではベンツなのだが。直接宮内さんとフェラーリの話をしたことはない。中村さんは自慢していたので知っていた。

──(エバートンで堀江被告が数十億円を借り入れることになる契約で)中村さんは、あなたにサインを求める時は何と言ったのか。

 「いつものやつです」と。

──その場でサインをするのか。

 はい。

──ということは、中身を見ないでサインしていることは知っているわけか。

 そうでしょうねえ。

事件の感想など

──取り調べで、検事からトライン分のLD株について聞かれたことは。

 まったく聞かれていない。

──これまでの感想を聞きたい。この法廷で、宮内さん、中村さんらが証言していることについて、どう思ったか。

 よくここまで口からでまかせがポンポン出てくると思っていた。

──あなたはLDのリーダーなのだから、指示とか了承に関わらず責任を取るのが潔い態度だと、昔の経営者はみんなそうだったとメディアで言っている人もいるが。

 東京拘置所に入った時、ナカハラ検事から真っ先に同じことを言われた。僕がやっていないことをやったと言えと言われても困る。覚えていないことは、できるだけ真実に近いことを言いたいと思っていたので、そう言われても困る。僕もまったく知らないことばかりだったので、想像でしか話せない。まったく筋書きがないところで話せというならともかく、半分作り話みたいなことを話せと言われても、言えない。

──トップなのだから、責任を取れという人がいるが。

 僕は正しい態度だとは思わない。

──法廷なのだから真実を語るべきだ、ということか。

 そう思います。

──法的責任はそうとして、社会的責任はあるのではないかという声があるが。今回の件でリーダーだったのだから、責任はあったのではないかと。

 僕としては、まっとうな経営をしてきたつもりだった。疑われるようなこともしたつもりもない。部下もそういうことをしないと信じていた。まだ有罪になっていないが、(検察に)言わされたり、プレッシャーに負けたのか。彼らが悪いことをしようとしたとは思えない。まだ信じている部分がある。だが、脇が甘かった。勾留されたのは事実だし、注目され過ぎたのか、狙われたのかもしれない。「あいつら怪しい」という部分もあったのかもしれない。目立ってしまったというか、責任というとちょっと違うと思うが、迷惑はかけたと思います。

【了】

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