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『かつしかハーブ橋』の難工事はすすむ=東京都(上)

2006年11月11日04時58分 / 提供:PJ

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『かつしかハーブ橋』の難工事はすすむ=東京都(上)
『かつしかハーブ橋』はS字型の斜張橋として世界最大級。手前の主塔65メートル、河口寄り29メートル。中央の平井水門が耐震難工事とさせた。(撮影:穂高健一)
95年の阪神・淡路大震災(マグニチュード7.2)の直下型地震で阪神高速道路の一本脚の橋脚(RC・鉄筋コンクリート)が破損し、倒壊した。横倒しになった高速道路の災害報道写真には、日本人の多くがショックを受けた。
 
 その後、建造物や構造物の耐震基準が見直された。それを受けて全国各地の高速道路、JRや私鉄各社の高架橋の補強工事が行われてきた。いまや大半が完了している。しかし、『かつしかハーブ橋』は最後の部類になってしまったのだ。

 首都高速・中央環状線の『かつしかハーブ橋』は87年9月に開通した。綾瀬川にかかる、世界初のS字型斜張橋(しゃちょうきょう)で、いまなお世界でもあまり類をみない、美しく屹立する橋だ。

 橋長は455メートルで、主塔から左右に張り渡したケーブルで、橋桁を直接吊り上げている。2本の主塔の高さが65メートル、29メートルと異なる特殊な橋である。斬新かつ優美な景観を創造したと、86年には土木界の名誉ある田中賞(作品部門)を受賞している。

 S型ハーブ橋の主塔65メートルは、綾瀬川のなかに一本脚で立つ。全周24メートルでRC構造。これは阪神・淡路大震災で倒壊した高速道路とおなじ一本脚。地下約50メートル下の硬い岩盤で支えられているにしろ、主塔の橋脚を補強する工事が必要となった。

 主塔の橋下から橋脚は約22メートル。そのうち半分は綾瀬川の水中に立つ。そこには途轍もない難問が横たわっていたのだ。

 綾瀬川は最近まで日本一汚い川に名を連ねてきた。いまだに水中の透明度は10〜30センチ。川のなかで、どのように補強鉄板を円く巻くか。水中溶接の、溶接棒の先端すら見えない状況下にある。溶接技術を持ったダイバーにしろ、手探りで、鉄板を円形につなぎ合わせていくことは不可能だ。現代の土木技術をもっても対応できなかったのだ。

 元請けの川崎重工は、特殊な土木技術をもつ清水建設に依頼した。そこで研究、開発が進められた。歳月を要して、通称『かみ合わせ継ぎ手工法』(首都高・広報室の説明)と呼ばれる、技術が開発されたのだ。

 それは溶接工法でなく、鉄板の組み合わせ部分をギザギザ(凹凸)にし、一枚ずつボルトで締めていく特殊な工法だった。(同広報の説明)

 作業が06年3月からはじまった。ダイバーたちが視界がゼロに近い濁り水のなかで、R(曲がり)付の12.7ミリの鉄板を円形に巻いていく。ボルトを一本でも締め忘れたならば、歪な力がかかり、鉄板が脆性(ぜいせい)破壊することも考えられる。そうなれば、耐震性にも重大な問題が生じてしまう。

 橋脚まわりには鉄板が円形で巻かれた。10センチの隙間が空けられている。ボルトを締め終わった後の点検・確認すら、視界がない状態となると、容易ではない。ダイバーはトランシーバーで交信しながら、丹念に作業を進めてきた。そして、収縮しない特殊なモルタル剤が詰められたのだ。

 難工事の末に、主塔65メートルの川中の部分、第1期補強工事が無事に完了した。【つづく】

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記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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