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野良猫の虐待は、惨殺な犯罪への道か(中)

2006年11月07日04時59分 / 提供:PJ

pj
野良猫の虐待は、惨殺な犯罪への道か(中)
猫の捕獲器を積み込んだライトバン。手前の布下には獣医が避妊手術を施した猫の持ち帰り。22日、東京・世田谷区で。(撮影:穂高健一)
(上)からのつづき。弱い小動物をいじめ、虐待する者がいる。他方で、動物愛護から弱い立場の野良猫の生命を守りながら、『野良猫ゼロの地域社会』を目ざす、ボランティアたちがいるのだ。
 
 東京・世田谷区内の3カ所の公園やその周辺で、動物愛護の活動をするボランティアたちが10月末、蘆花公園に近い地域会館に集まった。50歳代、60歳代の7人。動物愛護のボランティアはふだん個人か、二人組みによる活動。7人が一同で活動することはない。この日の集まりは、それぞれの地区の情報交換だった。

 野良猫の愛護活動の内容を聞くことができた。まず飼い主のいない野良猫を餌付けし、ネズミ捕りに似た捕獲器でつかまえ、不妊・去勢手術をし、地域猫として元の場所に戻すというものだ。
 
 手術代はメス一匹1万5000円、オス一匹8000円程度かかる。世田谷区の場合は同区民の飼い猫、獣医が手術可能と診断した猫の場合、メス6000円、オス3000円の助成金が出る。残りの費用はボランティアの自前だ。手術した猫の耳にはピースをつけて放す。メスには赤い首輪。オスには青い首輪をつけている。病気や精神的に衰弱した猫などは自宅で飼うか、里子に出す。

 こうした不妊手術を施す病院で、猫の癌が発見されたこともあるようだ。猫のガンは9割が乳腺の悪性ガン。ガン細胞を摘出手術しても、余命は約半年間。それでも、ボランティアたちはみずから経費を払い、動物の命を守っているのだ。

 ボランティアは、手術を施した野良猫に一代かぎりの飼育で、餌付けをしている。不妊・去勢手術した猫は発情せず、おとなしくなる。性欲がなくなった分、食欲がおう盛になるようだ。年金生活者にすれば、避妊代、餌代の負担は大きい。損得で考えれば、これほど割の合わないものはないだろう。

 女性ボランティアの田中さん(60代・同区)はこの活動7年。おもに蘆花公園や周辺をまわる。動物愛護のボランティア活動に入った動機を聞いてみた。「わたしは猫好きではないんです。公園で、子猫がカラスにやられて傷ついていた。助けてあげたい、保護してあげたいと思った」。そこからはじまったボランティアで、いまでは二人組みによる活動だと教えてくれた。

 相手方はかつて大手出版社に勤務し、文芸誌に携わってきた女性(60代)で、「わたしがもしも猫に生まれ、この境遇だったら、と考えると、放置できないんです。避妊して、腹いっぱいにさせ、一代を送らせてあげたい。人助けまではできないけど、動物ならば手を差し伸べられる」と話す。

 困窮の人間を救う施設や団体はいろいろある。しかし、動物にはそれがない。「生命をもって、この世に生まれたものは人間にしろ、動物にしろ、腹いっぱい食べて、一代を生きてもらいたい」と二人は異口同音に語っていた。

 同区・祖師谷の田口さん(女性・63)は毎日、夜中2時に起きて4キロの鶏肉をボイルする。私鉄駅付近、公園など猫の餌場に運ぶ。「猫嫌いな人もいるのは事実です。他人に見られない、刺激させたくない配慮はしています」。人目のつかない夜明け前、決まった時間に餌をやりに向かう。猫は夜行性だから、暗い時間帯を好む。

 同区の松延陸平さんも、人目を避けた夜7時前から出かけ、9時ごろまで餌を与えてまわる。猫は水が嫌い。しかし、雨のなかでも、野良猫は餌場に集まってくる。「待っているんですよ」。猫の特性で、古い餌は食べない。毎日、欠かさず餌場に向かう必要がある。風邪を引いた猫には、抗生物質を餌の中に入れてあげる。それは人間への愛情とまったく同じようだ。

 冠婚葬祭がある日でも、松延さんは早め帰宅し、決まって餌をやりに行く。夫婦旅行もできない。「いいかげんにしなさい」と家族にいわれる。身内の理解を得るのも大変のようだ。【つづく】

■関連情報
記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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PJ  いじめ  ワールド  抗生物質  年金  
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