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女流アルピニストが人生と冒険を語る(上)

2006年10月22日05時00分 / 提供:PJ

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女流アルピニストが人生と冒険を語る(上)
「無知、無理、過信、あせりは事故のもとです」と登山の心得を語る小倉董子(のぶこ)さん。東京・九段会館で、10日。(撮影:穂高健一)
東京・九段会館の孔雀の間で10日、『元気に百歳』クラブの出版記念例会がおこなわれた。女流アルピニストで日本山岳会永年会員の小倉董子(のぶこ)さん(74)が、『生涯、人と自然とちょっと冒険』と題した記念講演をおこなった。

 小倉さんは山形県出身で、登山歴は60年。戦後の女性登山家の草分け的な存在だ。父親の母校でもある早稲田大学に入学すると、山岳部に入部し、男子部員とおなじ30〜40キロのザックを背負った登山活動をおこなっていた。

 「先輩からは、『くだりは走れ』とはっぱをかけられたものです」と、小倉さんはきびしかった部活の思い出を語る。やがて早大山岳部で初の女子部リーダーとなった。卒業後は婦人画報社に勤務、雑誌記者となった。8年間在職した。入社2年目の1957年に、早大赤道アフリカ遠征隊の話が飛び込んできたのだ。

 小倉さんはここからの苦労談を語る。「真っ先に、貨客船を利用した6カ月間にわたる長期休暇を必要としました」。入社歴は浅いし、迷っていたという。他方で、当時の日本は外貨準備高の不足に悩み、渡航目的別に外貨の割り当てがあった。観光などは厳しく制限されていた。海外渡航審議会で「なぜ女性が海外の山にいく必要があるのか」という反対意見があったと、小倉さんの耳に入ってきたのだという。

 女性軽視に反発した小倉さんは「会社がクビになっても、アフリカにいく」という決意を固めた。駆り立てられた熱意が、会社の幹部の心を動かし、半年間の休暇が認められたのだと経緯を語った。

 同遠征隊はアフリカの最高峰・キリマンジャロに登り、国産車で一万キロの横断を成し遂げた。「私はどこでも眠れます。なんでも食べられます。だから、海外に出て行く夢が広がったのです」と早大山岳部時代の経験と重ね合わせていた。

 当時のアフリカは情報が少なく、暗黒大陸と呼ばれていたものだ。「人食い人種の住処と伝え聞かされていました。ところが、実際に現地の人たちに接してみると、日本でのアフリカ情報は間違いだらけ。偏見と誤解が多かったとわかりました」と小倉さんは熱っぽく語るのだ。

 アフリカ遠征の経験を生かした小倉さんは、60年には女性だけのニュージーランド遠征を計画した。ここでも外貨の持出し制限が厳しく、女性メンバー5人による海外登山遠征の許可は簡単に下りなかった。

 「外務省にかけ合うと、親善隊ならば、という条件で外貨が割り当てられました」と語る。出発前までスポンサー探し。日本伝統文化紹介まで加わり、舞踊、琴、合気道の稽古などで忙しかった。

 「現地のニュージーランドは治安がよく、氷河の登山を楽しめました。同時に、日本の親善隊として、各地で日本の芸能の一端を披露しました」と話す。小倉さんは持ち前の明るさで、海外の苦労談よりも、「未知との遭遇は毎日がわくわくドキドキでした。好きなことを、ずっとやってきました」と楽しさを語る。【つづく】

■関連情報
『元気に百歳』クラブ

会長 小倉董子:紫蘭会

記者HP:穂高健一ワールド

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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