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「朝日」だけでない?飲酒運転=マスコミの病巣

2006年09月24日05時21分 / 提供:PJ

pj
今月19日に山梨県甲府市内で酒気帯び運転の疑いで検挙された朝日新聞社の男性記者(27)を、同社は21日、懲戒解雇処分にした。また、この記者が所属していた朝日新聞甲府総局の総局長ら3人も、管理監督責任を問われて減給処分となった。幼い子ども3人が犠牲となった福岡市の事件以来、飲酒運転の摘発が全国で続いている。

 今回の朝日新聞記者の場合、本人が警察取材の担当で、公務員の酒気帯び運転検挙の記事も書いていたことなどから、同社内からも「飲酒運転を追及する記者がこのような問題を起こしてしまい」という言われ方をしている。しかし、冷静に見ると、マスコミ各社が使うこうした表現には注意を要することに気づく。

 ともすると、問題の責任を個人的、限定的な方向に導こうとするベクトルが感じられるからである。酒気帯び運転で検挙された記者が警察取材担当であったことは、道義的に非難されるべき要素であるにせよ、問題の本質ではない。マスコミの使命と社会への影響力を考えれば、マスコミの社員は本来、その担当業務に関係なく、高い倫理性が要求されて然るべき職種なのだから。むしろ、今回の「飲酒運転」は、もっと根深い問題をマスコミ全体に提起しているのではないか。

 これまで、マスコミ関係者のスピード違反や飲酒運転による検挙が、警察との癒着の中でしばしばもみ消されてきたことは、マスコミ業界、とくに報道関係の人間ならば、おそらく誰でも知っている事実なのではないだろうか。そこには「マスコミと警察のもたれ合い」「違反運転に対するマスコミの認識の甘さ」という深刻な問題が横たわっている。

 わたしがかつて東日本の地方都市の役所に勤務していた当時、その町の地方支局に勤務していた朝日新聞の記者がスピード違反の検問に引っかかったことがあった。その記者は、すぐに地元警察署に出向いて副署長に頭を下げ、スピード違反をもみ消してもらった。「もみ消した」とは言っても、そういう話は田舎の役所ではたちまち広がってしまう。

 しばらくして、その記者にたまたま会った際にスピード違反の件を尋ねると、「いやぁ、その話は勘弁してよ」と苦笑いでお茶を濁されたが、私はその後、彼が転勤するまで警察に批判的な記事をぱったり書かなくなってしまったことを知っている。

 ちょうど同じ時期、わたしの学生時代からの友人であるNHKの記者は、東日本の別の地方都市で、アナウンサーが飲酒運転の検問に引っかかった案件の“もみ消し”に走らされていた。飲酒運転の検問に引っかかったアナウンサーは、不倫関係にあった支局の女性スタッフとラブホテルから帰る途中だったということで、NHKの地方支局としてはもみ消したい事実が複合的に存在したようだ。

 友人は「どうして自分が不倫中のアナウンサーの尻ぬぐいをしなきゃいけないのか、納得できないよ。だけど、上司の指示は業務命令だから、仕方ないんだよなぁ」と、当時、私と顔を合わせるたびに嘆いていた。ちなみに、そのアナウンサーは同じ支局の中で3人の女性スタッフと同時に不倫関係にあったが、彼の妻と3人の女性は、それぞれその事実を知らなかったという。

 すでに数年以上前の事案なので、いずれも時効になっていよう。朝日新聞の記者も、NHKのアナウンサーも、その後、左遷されることもなく、今も現役で活躍中であると聞く。しかし、マスコミ不祥事の“もみ消し”が、どうやら組織的に行われてきたという歴史的事実はぬぐい難いものがある。そこが問題である。“もみ消し”を平然と指示するマスコミ各社の組織的体質、それを容認してきた警察側。そのもたれ合いこそ、是正しなければならない。この癒着が日本のマスコミの病巣であることは論をまたない。

 マスコミに従事する諸氏は、今一度、胸に手を当てて考えてもらいたい。“もみ消し”が比較的簡単に行える、つまりネームバリューのある大手マスコミの社員ほど、これまで飲酒運転に対する認識が甘かったのではないか。マスコミと警察の癒着体質の改善ができなければ、飲酒運転の撲滅キャンペーンも一時的かつ空虚なものに終わってしまう危険性が極めて高いと言わなければならない。【了】

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 成越 秀峰

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