“40年で石油は枯渇”の大ウソ。
2006年09月15日06時40分 / 提供:PJ
石油をめぐる話題が多い。「アブラに浮く文明」という人もいるほど現代社会に石油は欠かせない。だが石油事情への浅薄な認識のまま、必要以上の危機意識が創生さるのは極めて問題だ。今日も今日とて、ある会合では日本を代表する某団体の理事長殿、話しのついでに「石油は40年で枯渇」と聴衆相手に喝破されていた。いやはやご丁寧にもパワーポイント付きである。
石油は有限の資源である。そのことに間違いはない。だが石油や天然ガスの埋蔵量は毎年変わる。これは常識である。通常石油などは「可採数量」と「埋蔵数量」で表せられている。勿論、国際基準に準じてのことだ。私は石油販売業で1963(昭和38)年から38年間働いた。入社直後に教えられたのは、「石油は30年〜35年位で枯渇」するとのことだった。その後は毎年の春、新入社員教育で「石油諸問題」を担当。同じように「石油はアト30年」と言いつづけたが、後半になって、「これはアテにならない数字」と教え込んだものである。
手元に石油資源の枯渇に関する資料がある。長文、かつグラフ付きの解説書だ。といってここで数字を示すつもりはない。その理由は簡単。「常に現在の石油消費量から見れば」という但し書きがつき、「常に数字は変化する」からである。代替エネルギーの開発速度はさほど早くないとはいえ、欧米諸国ではバイオ燃料の混入はすでに実用化済み。私が入社した当時、この国の原発はわずかに東海原子力発電所だけ。それも国産1号炉に火が点ったころだった。だが今ではどうだ。原電を語らずしてエネルギーは語れない。原電の危険度をどう勘案してもだ。
ついでながら「未確認埋蔵量」という代物がある。あるいは確認されていても、現在の技術では掘削、精製できなかった多くの油田や、エマルジョンタイプの大油田も世界各地に点在する。嬉しい話題は何といってもメタンハドレート。石炭は「燃える石」といわれ、石油は「燃える水」と称されたが、メタンハイドレートは「燃える氷」と呼ばれる。メタンを水の分子で囲った状態のため、一見コオリ状に見えるせいだろう。
この物質の世界最大の埋蔵地こそ日本近海。日本は世界最大の産油国になる日が近いのかも知れないのである。ただしその掘削方法と貯蔵方法と、大量のメタンが一気に気化した場合の地球規模での環境への影響が課題だ。これらの解決が“現状では”不十分。同時に近未来への希望を繋ぐ。夢膨らむエネルギー資源地帯に我々が住んでいることに関心を払い、東シナ海海上油田や竹島への関心を高めねばならないということなのだ。
原油が高騰するにつけ、こうした“未知の資源”の開発が促進される。一時的に需給バランスが崩れても人々の生活が極端に変化することなどありえない。“40年で石油が枯渇”するなど話のアヤでしかない。危機感を募らせるだけの石油事情など毛頭信じてはならない。素人であれ専門家であれ、わが国のエネルギー事情に触れるならば、近海での資源保護こそ話題にせねばならない。地球は「アブラに浮く文明」。だが何時までも「アラブに頼る文明」でないことも確かなのだから。【了】
石油は有限の資源である。そのことに間違いはない。だが石油や天然ガスの埋蔵量は毎年変わる。これは常識である。通常石油などは「可採数量」と「埋蔵数量」で表せられている。勿論、国際基準に準じてのことだ。私は石油販売業で1963(昭和38)年から38年間働いた。入社直後に教えられたのは、「石油は30年〜35年位で枯渇」するとのことだった。その後は毎年の春、新入社員教育で「石油諸問題」を担当。同じように「石油はアト30年」と言いつづけたが、後半になって、「これはアテにならない数字」と教え込んだものである。
手元に石油資源の枯渇に関する資料がある。長文、かつグラフ付きの解説書だ。といってここで数字を示すつもりはない。その理由は簡単。「常に現在の石油消費量から見れば」という但し書きがつき、「常に数字は変化する」からである。代替エネルギーの開発速度はさほど早くないとはいえ、欧米諸国ではバイオ燃料の混入はすでに実用化済み。私が入社した当時、この国の原発はわずかに東海原子力発電所だけ。それも国産1号炉に火が点ったころだった。だが今ではどうだ。原電を語らずしてエネルギーは語れない。原電の危険度をどう勘案してもだ。
ついでながら「未確認埋蔵量」という代物がある。あるいは確認されていても、現在の技術では掘削、精製できなかった多くの油田や、エマルジョンタイプの大油田も世界各地に点在する。嬉しい話題は何といってもメタンハドレート。石炭は「燃える石」といわれ、石油は「燃える水」と称されたが、メタンハイドレートは「燃える氷」と呼ばれる。メタンを水の分子で囲った状態のため、一見コオリ状に見えるせいだろう。
この物質の世界最大の埋蔵地こそ日本近海。日本は世界最大の産油国になる日が近いのかも知れないのである。ただしその掘削方法と貯蔵方法と、大量のメタンが一気に気化した場合の地球規模での環境への影響が課題だ。これらの解決が“現状では”不十分。同時に近未来への希望を繋ぐ。夢膨らむエネルギー資源地帯に我々が住んでいることに関心を払い、東シナ海海上油田や竹島への関心を高めねばならないということなのだ。
原油が高騰するにつけ、こうした“未知の資源”の開発が促進される。一時的に需給バランスが崩れても人々の生活が極端に変化することなどありえない。“40年で石油が枯渇”するなど話のアヤでしかない。危機感を募らせるだけの石油事情など毛頭信じてはならない。素人であれ専門家であれ、わが国のエネルギー事情に触れるならば、近海での資源保護こそ話題にせねばならない。地球は「アブラに浮く文明」。だが何時までも「アラブに頼る文明」でないことも確かなのだから。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 今藤 泰資
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