ライブドアのHPで暴れる”PJ”って、どんなヤツ?
2006年09月08日05時43分 / 提供:PJ
ライブドアのHP上で展開するPJニュースの認知度が高まってきた。8月30日のライブドアによる統計では、ライブドアのニュース画面でPJニュースの閲覧数が一日約1万1000件と、毎日新聞や時事通信、スポニチなど記事提供元約50個所の中でもっとも読まれているメディアになった。その閲覧者の多くが大手マスメディアからという統計もある。
とはいえ、あまり知られていないのがライブドアのパブリック・ジャーナリスト(PJ)と呼称するメディア表現者たち。そもそもPJという市民記者が、どのような部類に属する人々なのか、彼らはどのようにPJに応募し、どのように出稿し、株式会社ライブドアとの関係はどのようなものか…疑問の声が聞こえてくる。ではお答えしましょう。実はライブドアPJって、こんなヤツなのです。
2000−3000名規模の市民記者を抱えるJANJANやオーマイニュースに比べて、現在の登録されているPJは全国各地に散在する400名前後、決して多い数ではない。ただし、定期的な出稿者は30〜40名程度。投稿率が他の市民メディアに比べ非常に高い。PJの顔ぶれは実に多彩だ。毎月1回開かれる「PJ塾」と称する記者会議は談論風発、初参加のPJたちは何時も驚く。それもそのはず、編集長もPJのひとり、各PJとの間に上下関係がまったくないフラットな関係だから、勝手気ままな会議となるからだ。度胆を抜かれるのがPJの職種の多さと年齢の幅。なかには現役高校生もいて、教科書片手に六本木ヒルズの38階にフラリと現れ、初老の小説家やタウン紙編者相手に意見を開陳したりする。彼の気質もあってか、誰からも「高校生のクセに」と難癖などつけられない。
時にはマスコミ志願の女子大生PJも出席する。彼女たちは大人の会話に驚きながら、メモをとる手を休めない。ここは就職実務の事前研修の場、真剣なのは当然だ。一方、銀行を中途退職し、実家の和歌山で梅干しづくりに精を出したがこれも失敗した猛者もいる。今では地上げ屋になって「地権者に頭をさげる毎日」と愚痴をこぼす。その隣席が経験豊かなプロカメラマン。「写すのが専門だった」ので、「物書きは不得手」との自己紹介。同じような理由で「PJになるのには躊躇した」が、「このところモノ書きがウマくなった」と褒められたのは高校の物理教師…。500円会費の酎ハイを飲みながらの数時間。話が弾まないワケはない。
PJ応募者の年齢、学歴、現在の職種などは一切問われない。通信講座「パブリック・ジャーナリスト講座」を受講し、簡単な修了試験を合格すれば晴れてPJになる。講座にはご丁寧にも、「写真の撮り方」まであり、ジャーナリズムに関する一定の技法は高まる仕組みになっている。申し込みは簡単だ。まずライブドアのホームページ内のPJニュースの記事をクリックすると、「パブリック・ジャーナリスト募集要項目」が目に入る。要項のトップには、「記者になって、ニュースやオピニオンを書いてみませんか?」とある。以下、目的・対象・募集期間・応募方法へと続き、合格後の投稿と原稿料の支払いで結ばれている。
応募目的のポイントは「既存ジャーナリズムに疑問を持つ」人が、「ネット上でパブリック・ジャーナリズムを実現する」ことにあるのだ。商業主義的存在の既存メディアに対し一定の歯止めをかけ、異なった視座からの情報発信ということであり、換言すれば、「スポンサーにおもねることのない」、あるいは「特定の思想信条に拘束されない市民」あるいは、「生活者からの視点を重視する」メディアということになる。
PJの資格を取得し、投稿できても、記事の内容には一定の歯止めがかかる。と言っても、ここだけは編集長が行い、記者自体が自由気ままであるように、「パブリックに向けられた内容」で「読み手が最低限理解できる」公序良俗に反しないものであればほとんど掲載されている。編集長の裁量権は強大だが、その一方、独自性と「個のジャーナリズム」を維持することにも熱心で、そこが既存メディアとの分水嶺といえる。
認識されにくいのが、PJニュースが株式会社ライブドアとは独立した組織であること。PJニュースの編集権に一切触れないのがライブドアの懐の深さでもある。ライブドア本体からの差配はホリエモンからでさえ皆無だった。今もライブドア本体への批判記事が見受けられるのは新鮮であり、ネットメディアの面目は躍如たるものがある。
8月28日、同業の「オーマイニュース日本版」が華々しく開業した。社長は韓国のオ・ヨンホ(呉連鎬)氏、スポンサーは在韓華人の末裔を自称するソフトバンクの孫正義氏、編集長は鳥越俊太郎氏といういわば「三国同盟的ネットプレス」。発刊手法はPJニュースと似ているが、オーマイニュースがその名を上げたのは、韓国大統領に当選した盧武鉉氏へのサポートだ。4万人という多数の市民記者を有し、マスコミ不信感が深い韓国でのITソフトの活用には瞠目させられる。
とはいえ、PJニュースの自主性、独立性、シティズンシップはオーマイニュースより一歩先行している。オーマイニュースの「市民記者」は2000名を超えたと聞くが、記事に採用されることが少ないとの不満があるからだ。また、市民記者の原稿への介入の幅が大きいとも聞く。原稿料は思ったより安く、プロ記者の記事が多い点もが指摘されるほか、ホリエモンの「既存メディア不用論」に反発した鳥越編集長のオピニオンの矛盾を取り上げる声もある。
ただし「嫌韓論」で片付ける偏狭的な意見には疑問を呈しておきたい。似て非なるオーマイニュースとPJニュースは単なるライバルではない。ネットの持つ情報伝達の速度と双方向性に着目する視点と、ともあれ長年君臨してきた既存メディアへの健全なアンチテーゼとして目指す方向にさほどの違いはないのである。PJニュース編集長の小田光康は、オーマイニュースの創刊号に、「パブリックはファントムなのか」という記事を寄稿した。これも一読されたい。
今やPJニュースはライブドアHPのニュース画面で一角を占める存在になり、既存メディアに飽き足らない人々や、「新ネタ」を求めるメディアのプロたちへ恰好の話題を提供している。PJはこのような記事を書き、ライブドアのニュース画面ではこれを掲載し、株式会社ライブドアはこんな記事を容認している。アサヒでもヨミウリでもニッケイでもなく、オーマイニュースとも一線を画す新しいメディアの創生。これこそが、多様多彩な私たちライブドアPJの果たすべき役割と自負するところなのである。【了】
とはいえ、あまり知られていないのがライブドアのパブリック・ジャーナリスト(PJ)と呼称するメディア表現者たち。そもそもPJという市民記者が、どのような部類に属する人々なのか、彼らはどのようにPJに応募し、どのように出稿し、株式会社ライブドアとの関係はどのようなものか…疑問の声が聞こえてくる。ではお答えしましょう。実はライブドアPJって、こんなヤツなのです。
2000−3000名規模の市民記者を抱えるJANJANやオーマイニュースに比べて、現在の登録されているPJは全国各地に散在する400名前後、決して多い数ではない。ただし、定期的な出稿者は30〜40名程度。投稿率が他の市民メディアに比べ非常に高い。PJの顔ぶれは実に多彩だ。毎月1回開かれる「PJ塾」と称する記者会議は談論風発、初参加のPJたちは何時も驚く。それもそのはず、編集長もPJのひとり、各PJとの間に上下関係がまったくないフラットな関係だから、勝手気ままな会議となるからだ。度胆を抜かれるのがPJの職種の多さと年齢の幅。なかには現役高校生もいて、教科書片手に六本木ヒルズの38階にフラリと現れ、初老の小説家やタウン紙編者相手に意見を開陳したりする。彼の気質もあってか、誰からも「高校生のクセに」と難癖などつけられない。
時にはマスコミ志願の女子大生PJも出席する。彼女たちは大人の会話に驚きながら、メモをとる手を休めない。ここは就職実務の事前研修の場、真剣なのは当然だ。一方、銀行を中途退職し、実家の和歌山で梅干しづくりに精を出したがこれも失敗した猛者もいる。今では地上げ屋になって「地権者に頭をさげる毎日」と愚痴をこぼす。その隣席が経験豊かなプロカメラマン。「写すのが専門だった」ので、「物書きは不得手」との自己紹介。同じような理由で「PJになるのには躊躇した」が、「このところモノ書きがウマくなった」と褒められたのは高校の物理教師…。500円会費の酎ハイを飲みながらの数時間。話が弾まないワケはない。
PJ応募者の年齢、学歴、現在の職種などは一切問われない。通信講座「パブリック・ジャーナリスト講座」を受講し、簡単な修了試験を合格すれば晴れてPJになる。講座にはご丁寧にも、「写真の撮り方」まであり、ジャーナリズムに関する一定の技法は高まる仕組みになっている。申し込みは簡単だ。まずライブドアのホームページ内のPJニュースの記事をクリックすると、「パブリック・ジャーナリスト募集要項目」が目に入る。要項のトップには、「記者になって、ニュースやオピニオンを書いてみませんか?」とある。以下、目的・対象・募集期間・応募方法へと続き、合格後の投稿と原稿料の支払いで結ばれている。
応募目的のポイントは「既存ジャーナリズムに疑問を持つ」人が、「ネット上でパブリック・ジャーナリズムを実現する」ことにあるのだ。商業主義的存在の既存メディアに対し一定の歯止めをかけ、異なった視座からの情報発信ということであり、換言すれば、「スポンサーにおもねることのない」、あるいは「特定の思想信条に拘束されない市民」あるいは、「生活者からの視点を重視する」メディアということになる。
PJの資格を取得し、投稿できても、記事の内容には一定の歯止めがかかる。と言っても、ここだけは編集長が行い、記者自体が自由気ままであるように、「パブリックに向けられた内容」で「読み手が最低限理解できる」公序良俗に反しないものであればほとんど掲載されている。編集長の裁量権は強大だが、その一方、独自性と「個のジャーナリズム」を維持することにも熱心で、そこが既存メディアとの分水嶺といえる。
認識されにくいのが、PJニュースが株式会社ライブドアとは独立した組織であること。PJニュースの編集権に一切触れないのがライブドアの懐の深さでもある。ライブドア本体からの差配はホリエモンからでさえ皆無だった。今もライブドア本体への批判記事が見受けられるのは新鮮であり、ネットメディアの面目は躍如たるものがある。
8月28日、同業の「オーマイニュース日本版」が華々しく開業した。社長は韓国のオ・ヨンホ(呉連鎬)氏、スポンサーは在韓華人の末裔を自称するソフトバンクの孫正義氏、編集長は鳥越俊太郎氏といういわば「三国同盟的ネットプレス」。発刊手法はPJニュースと似ているが、オーマイニュースがその名を上げたのは、韓国大統領に当選した盧武鉉氏へのサポートだ。4万人という多数の市民記者を有し、マスコミ不信感が深い韓国でのITソフトの活用には瞠目させられる。
とはいえ、PJニュースの自主性、独立性、シティズンシップはオーマイニュースより一歩先行している。オーマイニュースの「市民記者」は2000名を超えたと聞くが、記事に採用されることが少ないとの不満があるからだ。また、市民記者の原稿への介入の幅が大きいとも聞く。原稿料は思ったより安く、プロ記者の記事が多い点もが指摘されるほか、ホリエモンの「既存メディア不用論」に反発した鳥越編集長のオピニオンの矛盾を取り上げる声もある。
ただし「嫌韓論」で片付ける偏狭的な意見には疑問を呈しておきたい。似て非なるオーマイニュースとPJニュースは単なるライバルではない。ネットの持つ情報伝達の速度と双方向性に着目する視点と、ともあれ長年君臨してきた既存メディアへの健全なアンチテーゼとして目指す方向にさほどの違いはないのである。PJニュース編集長の小田光康は、オーマイニュースの創刊号に、「パブリックはファントムなのか」という記事を寄稿した。これも一読されたい。
今やPJニュースはライブドアHPのニュース画面で一角を占める存在になり、既存メディアに飽き足らない人々や、「新ネタ」を求めるメディアのプロたちへ恰好の話題を提供している。PJはこのような記事を書き、ライブドアのニュース画面ではこれを掲載し、株式会社ライブドアはこんな記事を容認している。アサヒでもヨミウリでもニッケイでもなく、オーマイニュースとも一線を画す新しいメディアの創生。これこそが、多様多彩な私たちライブドアPJの果たすべき役割と自負するところなのである。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 今藤 泰資
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