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ジャンボ梨の『かおり』は、今年は小ぶり

2006年09月07日06時50分 / 提供:PJ

pj
ジャンボ梨の『かおり』は、今年は小ぶり
ジャンボ梨をノギスで直径を測る、園主の中野津義さん。6日、千葉県市川市の梨園で。(撮影:穂高健一)
千葉県・市川市は、江戸時代の元禄からつづく梨の産地で、県下一の生産量だ。同市大町の『大津園』は、毎年開催される市内の梨の品評会で、数々の受賞歴をもつ。かつては三色の梨(突然変異)で『ユーモア賞』を受賞。梨大玉コンクールでは、上位入賞の常連。とくに平成10年に出品された『かおり』は1個2337グラムで優勝。未だにこの記録は破られていない。

 梨の出はじめは8月初旬で幸水(こうすい)、そして中旬は豊水(ほうすい)、9月に入ると、ジャンボ梨のかおりとつづく。新高(にいたか)は9月半ばからである。大津園では、6日から、かおりの店頭直売が開始された。初日から待ち構えていた、かおりファンが次々にやってきた。

 『新興』と『幸水』の交配で誕生した、かおりは通常の梨の約3倍。園主の中野津義(つよし)さんがメジャーで実測してくれた『かおり』は外周45センチもあった。

 園内の木々に実る、かおりは見た目にもジャンボだが、「今年は日照不足がひびいて果実の玉が小さく、一個が最大でも1.5キロ止まり、2キロなんて、とてもおよばない」と中野さんは説明する。「小ぶりでも、8月にはからっと晴れた日があったから、糖度が高く、ジューシーな味は確保できている」と語る。ジャンボ梨でも味がよいのが、かおりの人気の秘密のようだ。

 『大津園』の、かおりの生産量を聞いてみた。今年は6000個ほど袋を被せたが、販売できるのは約半分。理由はわからないが、かおりは何かしら形状が一定せず、変形する品種で、半分は売り物に不向き。味は良いが、歩留まりの悪い品種のようだ。

 品種改良の取り組みにも、中野さんは積極的だ。現在は、『新高』と『幸水』との交配で『陽水』を実験中。肉質は平型である。新高は無袋だと、陽に焼けて真っ黒になってしまう。陽水が成功すれば、幸水の無袋(むたい)の特性を生かせる。そのぶん手間がはぶける品種になると、開発目的を語ってくれた。

 「梨にも著作権があるんですよ」と中野さんから教わった。改良された品質が園内で成功したからといって、即時、市場で売れないようだ。栃木県の『にっこり』などは明瞭な著作権があるし、それを実験的に作っても、販売はできない。せいぜい自家で食べる範囲内に限定されるという。

 「ゆかり自体も、千葉の試験場で開発された品種だけど、松戸、市川、鎌ヶ谷の梨園の間で、著作権の登録問題でくすぶっている」と複雑な一面を語ってくれた。

 研究熱心な中野さんは、『秀玉(しゅうぎょ)」、『秋月』の新品目をも手がけている。これらは著作権問題から外れているけれど、市場性はないという。消費者の趣向が、幸水、豊水、かおり、新高の4種類に集中し、ほかの品種にはほとんど目をむけてくれないからだという。それでも、中野さんは新しい品種にチャレンジする。

 梨はバラ科だから、リンゴでも接木ができるようだ。「悪戯してみなさいよ」と、梨の原種の実をもらった。一枝には約3センチの小粒の実が数十個ほど鈴なり。一つずつ肉を割いて種を取りだし、土に植え、2〜3年経てば接木するように、と伝授された。【了】

■関連情報
 大津園
  〒272-0831
  千葉県市川市大町183
  TEL、TAX 047−337−8026
  北総開発鉄道・大町駅から徒歩約5分。市川動植物園の北口前。

記者HP:穂高健一ワールド

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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