中部地区の新人お天気キャスターの武田美代子さん(左)と竹村りゑさん(右)。(撮影:佐藤学)

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全国から選ばれた14人の女性による「ケータイお天気キャスター」の初収録が3日、千葉県幕張のスタジオで行われた。それぞれの経歴やお天気キャスターに応募した理由は様々だが、念願叶ってデビューの日を迎えた新人キャスターにとって、晴れの舞台となる1日となった。携帯動画番組で4日にデビューする。

 新人お天気キャスターを4カ月契約で採用したのは、携帯電話で天気情報を提供するウェザーニューズ社(東京都港区、石橋博良社長)。全国を関東、中部、近畿など7地区に分けて、応募者1700人の中から、携帯電話による投票で各地区2人、18歳から30歳までの計14人が選ばれた。最終選考では7日間に約10万票の投票があったという。14人のお天気キャスターは、契約期間中はスタジオのある幕張で生活する。

 お天気キャスターは、天気予報を伝えるほかに、番組の構成や演出、出演時の衣装や小道具まで手掛けるのが同番組の特徴。同社の石橋知博・携帯電話事業部長は「1対1という通信手段である携帯電話の特性を重視し、身近な友人がお天気情報を伝えてくれるというコンセプトでスタートしました」と説明する。地域密着型で、それぞれお天気キャスターの個性を前面に押し出し、まさに「天気」と「元気」を毎朝視聴者に送りたいという。

 飲食店などでアルバイトをしていて、今回お天気キャスターに選ばれた尼田真奈美さん(19)は「おしゃべりのプロになりたいと思っていましたが、チャンスがなかったのです。10代最後の年ですし、20代に向かって可能性を広げたい」と希望に胸を膨らませている。昨年まで会社員をしていた権藤陽子さん(30)は、ラジオ番組のレポーターなどを務めるほか、時おり結婚式の司会などで収入を補って生活してきたという。「前の会社では、テレビなど顔が出る仕事は規則で禁じられていました。このチャンスを生かしてステップアップしたい」と真剣だ。

 人気投票でお天気キャスターを短期採用する方針について、石橋部長は「携帯電話による配信サービスは、流行の移り変わりが早いのです」と現実を無視できないと説明する。しかし、当のキャスターたちは、「短期間の使い捨て」要員とマイナスに考えるより、携帯電話による配信によって、新しいチャンスをつかむ機会が創出されたと喜んでいる。

 1期から3期までのお天気キャスター26人のうち、契約終了後も同社のケーブルテレビでお天気キャスターとして活躍しているのは3人。一方、この契約をきっかけに本格的に気象予報士を目指して受験勉強に取り組む女性は5人いるという。【了】