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【書評】『小泉政権−非情の歳月』佐野眞一著

【PJ 2006年08月30日】− 9月で小泉首相の任期が切れるが、吉田茂、佐藤栄作に次ぐ戦後3番目に長い在任期間となった。この5年間は何だったのかということを小泉首相の3人のキーパーソンを中心に書いている。

 一人は首相秘書官の飯島勲氏。彼の卓越したマスコミ対策、特にスポーツ紙や女性誌などに積極的に首相を応じさせ「ワイドショー政治」といわれながらも驚異的な支持率を稼ぎ出している。飯島氏について、身障者の姉弟のこと、集団就職から特許事務所に勤めている時、人づてに当時衆議院に初当選したばかりの小泉純一郎が秘書を募集していると聞き応募したことなどが紹介されている。以降、小泉氏を支え続けることになる。特にあえて悪役になれることと、人脈の豊富さ、情報網などを武器に、小泉氏を総理の座まで押し上げていった。また、飯島氏に頭が上がらない大物議員も多いといわれるほど、大物秘書官だと評している。

 そして、小泉政権の生みの親を自称していたにもかかわらず、一番初めに首相に切られた田中真紀子のこともつづってある。小渕首相が誕生した時、真紀子は「凡人、軍人、変人」といって流行語大賞を受賞したが、自民党の議員の一部から「それを言ったやつは狂人だ」という声があったという。父田中角栄元首相が竹下登に裏切られて脳梗塞で倒れた時、政界進出し小泉内閣で外務大臣に抜擢されて、01年テロ事件以降外交の混乱そして外務大臣更迭以降敵となって戦うまでのいきさつが興味深い。

 また、謎の人物といわれる小泉首相の姉で政策担当秘書の小泉信子のことである。彼女は高校卒業後、父小泉純也に仕え父の死後は後を引き継いだ弟、純一郎を支えていく。小泉事務所の金庫番として結婚もせずすべては弟のためにと、弟をサポート。小泉首相はイギリス留学の経験があるがこれも信子の発案だという。それだけでなく信子が首相公邸に一日いると、小泉首相は機嫌がいいという。首相がシスターコンプレックスと言われる所以である。また首相のオペラ好きなどは姉の影響が大きいという。

 小泉政権の評価はこれから歴史がすることになるだろうが、一足早く小泉政権の5年間を振り返る1冊である。【了】

■関連情報
佐野眞一著『小泉政権―非情の歳月』文藝春秋、2006年
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 鈴木 義哉【 兵庫県 】
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