ゲストさんログイン

ウェブ検索

最新ニュース! クリックするほどよく分かる

livedoor ニュース

今週のお役立ち情報

新参古参、茨城の鉄道。(上)

新参古参、茨城の鉄道。(上)
最新鋭の鉄道。その名も“つくばエクスプレス”。全線完全立体交差、ホームドアを採用し、無線LANを装備したIT鉄道だ。すれ違いの騒音など皆無。運転席の窓には虫の死骸が点々と着く。IT鉄道も、虫には弱いのだろう。(撮影:今藤泰資)
【PJ 2006年08月29日】− 茨城県は妙な県だ。首都圏にありながら、田舎の雰囲気が極めて濃厚。それでいながら筑波は最先端都市。宇宙ロケットは鹿児島県で打ち上げられても、コントロールするのは筑波。1985(昭和60)年、折りしも筑波科学万博の開催中、当時の閣僚の一人が開催地を群馬県と間違ったというウソのようなホントの話がある。茨城の認識はその程度、それほど知られていないということだ。

 “旨いもん”は、水戸納豆、アンコウ、その他は…思いださない。ところが美味珍味、これほど揃った県はない。原因は伝統的な宣伝下手。水は豊富で酒は多種。道路の延長は北海道についで2番目に長い。したがって自動車の保有台数は全国でも有数、今では名うての自動車王国なのだ。

 坂東太郎こと利根川を始めとする大小の河川、霞ヶ浦などの湖沼、190キロの長い海岸線…、神代の時代から、ここは日本有数の水上交通のメッカだった。昔、大和武尊(ヤマトタケルノミコト)は霞ヶ浦を渡って蝦夷地へ行った。上総の国で弟橘媛命(オトタチバナヒメのミコト)を失った武尊は、霞ヶ浦で媛を偲んだことだろう。

 江戸に入っては、画家北斎が「富嶽三十六景」を、常州牛堀から望む二十景目の富士として描いた。水運が発達していたから北斎は来られたのだ。明治には東京の墨田川畔から、内国通運(日本通運の前身)が運航。“通運丸”は江戸川、利根川経由で霞ヶ浦湖岸の港々を廻った。通運丸は「バッタンフル」と呼ばれた外輪船。そうだ、ミシシッピー河を上下するあの“スターン・ホィーラー”と同じ形式の船なのだ。勿論飲み屋もある。“港々の女”もいる。それほど隆盛だった。

 明治初期、利根川のほとり金江津で生まれた青年が川伝いに東京へ出て“あんぱん”を作った。それが銀座木村屋総本店の創設者、木村安兵衛だ。明治8年4月4日、墨田川畔にあった水戸藩下屋敷で花見をする明治天皇のために安兵衛は“あんぱん”を献上。今も、キムラのアンパンは“献上ぱん”という由来なのだ。水運が発達していなければ、さすがの明治天皇、“あんぱん”を召し上がれなかった。

 だが、1889(明治22)年、鉄道好きの県知事、安田定則の手によって、今度は一挙に陸運県に転じる。水戸鉄道が開通したのだ。日本人によって完成された鬼怒川鉄橋は、パリ万博のエッフェル塔と同じ年に架橋された。実はエッフェル塔、鉄橋を縦に伸ばした中空のモニュメントなのである。

 今ではこの県に古参と新参、二つの鉄道が走る。“つくばエクスプレス”は、わが国最新鋭の鉄道。つまり世界最高の鉄道。方や真岡鉄道には“岡蒸気”が週末に走る。関東圏には珍しいSLは観光鉄道。ただし人と夢を運ぶのは、新鋭鉄道と岡蒸気、何らかわることはない。ミスマッチこそ茨城の真骨頂。過去と未来が続く県。久保田早紀歌う“異邦人”みたいな県が茨城なのである。♪子ども達が空に向かい、両手を広げ…ってね。【つづく】 
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 今藤 泰資【 茨城県 】
この記事に関するお問い合わせ / PJ募集
コメントするにはログインが必要です
ログインしてください
投稿

前後の記事

PJニュースアクセスランキング

注目の情報
暮らしのピカイチ道具集めました
「火曜だよ、通販生活」では食品から家電まで、徹底的に品質と安全に
こだわって、競合品と使い比べたり実際の使用者の声を取材したりしな
がら商品ジャンルごとのピカイチ道具を選出し、販売しています。


火曜だよ、通販生活