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愛知県公安委員会、苦情申し出制度の実態

【PJ 2006年08月25日】− 1988年、名古屋で臨月の妊婦が首を絞められて殺された。犯人は妊婦の腹部を切り裂いて胎児を取り出すと、代わりに電話の受話器などを突っ込んで遺体をもてあそんだ後、財布を奪って逃走。夕方帰宅した夫によって惨状が発見され、胎児は一命を取りとめた。「名古屋・臨月若妻殺人事件」と通称される犯罪史上まれにみる凄惨な殺人事件だが、2003年犯人は逮捕されることなく時効が成立した。

 愛知県警当局は、時効成立に当たって、公式には「犯人の手がかりはまったく得られなかった」と表明したが、実は捜査の初期の段階で容疑者をひとりの男に特定し、その男の内偵と警備を続けていた。のみならず1990年、容疑者が第二の犯行に手を染めた際、容疑者の別件逮捕を狙った当局は、被害者の助けを求める110番通報に対し、故意に警官の出動を遅らせ、容疑者に被害者を殺害するにたる時間的ゆとりを与えようとしたなどの捜査行為に走った。わたくし、一柳恵子は、この第二の犯行の被害者である

 さて、5月下旬、たまたま愛知県公安委員会のホームページを見ているうちに、「苦情申し立て制度」というものがあるのをはじめて知り、その制度を利用してさらなる真相の究明を図ろうと、上記の被害事実の調査依頼を愛知県公安委員会に書面を もって申し立てた。

 申し立ての日から3カ月が経った8月22日、愛知県公安委員会より「苦情処理結果通知書」が送付されてきた。その通知書は、A4判紙に1200字ほどが 記載されていて、内容を要約すると、「1、あなたが被害にあったという1990年当時の資料は現在は、破棄処分されて存在しないから文書で事実を確認することはできない。2、そこで、違法捜査行為があったかどうか、当時の捜査員に確認したところ、捜査員は110番通報に故意に警官の派遣を遅らせたという事実はないと語ったため、公安委員会としてはその事実はなかったと判断する。」という二点。

 5月に簡単な苦情申し立て書面を送付してから、公安委員会は申立人である私に対して事情聴取をすることなど一切なかった。もちろん、違法行為を行ったと私が告発した捜査員の釈明と、私の主張との間の齟齬を、両者を同席させて検証するなどということもしていない。ただ、一方的に捜査員の釈明を聞いただけで「違法行為はなかった」と結論をだしているのだ。

 やさしい例えをあげれば、つまりこういうことだ。たとえばあなたが、「私は警察官に暴言を吐かれた。謝罪を求めたが警察は対処してくれない」。あるいは、「私は警察官にレイプされた。ところが、警察は捜査をしてくれない」などと、公安委員会に苦情を申し立てたとしよう。すると公安委員会は、当該警察官に「あなたは暴言を吐いた(あるいは、レイプした)か」と尋ね、警察官が 「していない」と返答したとする。すると、それだけで、あなたには一切事情聴取することなく、「調査の結果、あなたの申し立てたような事実はなかったと公安委員会は判断する」という通知書を一方的に送りつけてくるということだ。

 このような振る舞いは、「調査」とか「判断」とかいうような高尚な精神活動ではなく、「子供の使い」とでも呼ぶようなものでしかないことを、愛知県公安委員会の諸氏はおわかりにならないのだろうか。

 公安委員会への苦情申し出制度は、1999年の神奈川県警その他の警察不祥事続発を受けて、2000年に、警察法に新たに79条条項として追加されたものである。けれどもその新しい制度の運用実態がこの程度のものでしかないのなら、警察の綱紀粛正にはほど遠い、まさに「仏作って魂入れず」の制度でしかないといえるだろう。【了】

■関連情報 「一柳恵子のPJニュース〜臨月若妻殺人事件関連」 
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

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