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つくば野に涼風、「つくばエクスプレス」開業1周年!

つくば野に涼風、「つくばエクスプレス」開業1周年!
茨城県守谷駅構内で休む上りのTX。この車両、まだ“ピッカピカの1年生”、今日も東京に涼風を運んでいるのだ。8月24日午後。(撮影:今藤 泰資)
【PJ 2006年08月25日】− つくばエクスプレス(略称TX)が24日で開業1周年を迎えた。東京・秋葉原から茨城県つくば間、58.3キロを最速45分で結ぶこの鉄道は“最後の都市間鉄道”“未来鉄道”として知られる。最新鋭の車両。完全な立体交差。ユニバーサルデザインで統一されたホームや駅舎。埼玉、千葉、茨城から話題の“アキバ”への利便性は申し分ない。国内初となる車両からの無線LANも始動した。“つくばアキバ”のコラボレーションにも注目され、涼風を巻き起こす新鉄道なのである。

 実はTX、当初の立案はなんと今から21年前、1985年(昭和60)年のことだ。政治課題は“一極集中排除”という時代だった。都内で住宅を確保できない人のため、広く良質な住宅を供給するための鉄道開発が目的だった。そのため通称「宅鉄法」(大都市における宅地開発と鉄道整備一体化のための法律)が施行されたが、その後状況は一変。都心回帰が進んでいるのが現状だ。

 わが国における私設鉄道、いわゆる“私鉄”の歴史は、阪急電車の小林一三、東急電鉄の五島慶太などのように意欲的なデベロッパーによるインフラ整備がその特徴。両人は、「西の小林、東の五島」として有名だった。往時は用地取得が容易だったし、難儀な環境問題などなかった。とはいえ鉄道敷設は意欲だけでは進まない。一三は宝塚温泉とレビューを、慶太はイギリスに倣って田園調布を開発したのだ。

 一方、茨城における鉄道開発の歴史は古い。1889(明治22)年、水戸・小山間66.9キロの“水戸鉄道”は計画以来わずか15カ月で完成。これが現在のJR水戸線だ。当時の茨城県知事、安田定則が企画開発者だったが、定則は「北海道開拓使官有物払い下げ事件」に関わった人物。鉄道の歴史にはきな臭い匂い事件や事故が数多い。同じ県内を走る明治の鉄道が短期に完成したのに比べ、現代鉄道は21年かかったのは興味深い史実だ。

 TXの沿線開発は住宅、商業施設を中心に着々と進行中だが課題も多い。莫大な出資金は、TXのみならず、受益者負担を強いられる沿線各自治体の財政悪化が予想される。また都心から人口が移動した場合、学校、病院、ゴミ処理などの社会資本整備の立ち遅れを指摘する声もある。関東の名山筑波山への日帰り客は増えたが、受け入り体制もまだまだ不備。とりわけ日中のがら空き電車は少し寂しい気がする。

 逆に言えば混雑を嫌う人や、新鮮な大気を求めるためにはTXの旅も悪くない。開放的な窓は“フリーストップ”、視界に広がる緑野は自然回帰への第一歩。開業記念スタンプラリー“TX wakuwaku 1st Anniversary”も開催中。沿線各地では、ナシ、ブドウ、クリなどの果実も豊かだ。つくば駅周辺には、つくば宇宙センター(JAXA)、地質標本館、地図と測量の科学館などの他、“欽ちゃん”率いる茨城ゴールデンゴールズの本拠地もある。遅い夏休みと宿題のテーマ見つけには、もってこいかもしれない。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 今藤 泰資【 茨城県 】
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