高校野球が面白い理由
2006年08月22日07時17分 / 提供:PJ
今年の全国高校野球選手権は早稲田実業(西東京)の優勝で幕を下ろした。今年は例年にない打撃戦が繰り広げられたが、決勝戦は投手戦の延長15回で1−1の引き分けとなった。その再試合でも、4−3の白熱した投手戦となり、非常に締まったゲームで大会を総括してくれた。
会場の阪神甲子園球場では、猛暑に関わらず連日の超満員で会場の外には入れない観客でごったがえす程の盛況であった。それほどにやはりいまだ高校野球は面白いのだ。しかし、何故高校野球は面白いのか。それは様々な理由があるだろうが、大きく分けて次の3つの理由だろう。
まず第一の理由は、「一度限りの舞台」だからだ。当然、高校生時代は一生に一度しかなく、例え3年連続甲子園に出場できたとしても、毎年違うメンバー構成であり、全く違うチームとなる。プレーする本人たちもこれは強く感じ、「このメンバーで出来る最後の大会」の認識は見ている観客にも伝わり、その儚さが人々を引き付けることは間違いないのであろう。毎年毎年、ごくわずかなチーム数で、同じメンバー構成での戦いを連日見せ付けられるプロ野球との違いは根本的にここである。
そして第二の理由は、「アマチュア」だからだろう。高校生なので当然ではあるが、高校生はこの大会で生活をかけている訳ではなく、純粋にチームの勝利のために必死に練習を積んできている。試合で多少派手なパフォーマンスがあったとしても、彼らは本当に「自分たちのため」に試合に取り組んでいる。プロ野球は「見せる・魅せる」ことが大前提であるが、高校野球では仮に観客が誰一人居なくても必死で戦いをするのだ。大人たちの現代社会に無いその姿勢を見たいがために高校野球を見てしまう人も多いのではないだろうか。
最後、第三の理由は、「機敏さ」が見られるからだろう。よくプロ野球はだらだらしている、という批判が多いが、これは高校野球に対してのことであろう。実際、選手たちは攻守交替の際など全力疾走でベンチを往復する。決勝戦1日目が延長15回で決着がつかず、相当疲れているはずの選手たちでさえ試合終了後、アルプス応援席に礼をしにいくのに走っている姿が放映された。この姿に心打たれたファンは多かったのではないか。
そもそも野球はサッカーなどに比べ、練習のときからオフプレーの際でも機敏な動きを要求する指導がなされている。これは日本独自の「恥ずかしくないよう」という精神から来る習慣であり、対戦相手から観客に至るまでチームとして成熟しているかを示す重要な要素と見られる。しかし、残念ながらこの姿勢はせいぜい大学野球までであり、現代のプロ野球では見ることが出来ない。そんな日本の良き精神の部分が見られるのが高校野球の醍醐味であろう。
2006年はFIFAワールドカップが開催され、日本は無残にも世界との力の差を見せつけられた。主力の選手たちはいわゆる現代っ子であり、国のために戦うという“古い”姿勢ではなく、極めてスマートな戦いのスタイルであった。そんな時代にあって、いまだ高校野球は良き指導者たちのお陰で“古い”良き伝統を受け継いでくれている。これからも高校野球が面白いものであり続けるために、今の古き良きスタイルを崩さない風潮を皆で守っていきたい。【了】
会場の阪神甲子園球場では、猛暑に関わらず連日の超満員で会場の外には入れない観客でごったがえす程の盛況であった。それほどにやはりいまだ高校野球は面白いのだ。しかし、何故高校野球は面白いのか。それは様々な理由があるだろうが、大きく分けて次の3つの理由だろう。
まず第一の理由は、「一度限りの舞台」だからだ。当然、高校生時代は一生に一度しかなく、例え3年連続甲子園に出場できたとしても、毎年違うメンバー構成であり、全く違うチームとなる。プレーする本人たちもこれは強く感じ、「このメンバーで出来る最後の大会」の認識は見ている観客にも伝わり、その儚さが人々を引き付けることは間違いないのであろう。毎年毎年、ごくわずかなチーム数で、同じメンバー構成での戦いを連日見せ付けられるプロ野球との違いは根本的にここである。
そして第二の理由は、「アマチュア」だからだろう。高校生なので当然ではあるが、高校生はこの大会で生活をかけている訳ではなく、純粋にチームの勝利のために必死に練習を積んできている。試合で多少派手なパフォーマンスがあったとしても、彼らは本当に「自分たちのため」に試合に取り組んでいる。プロ野球は「見せる・魅せる」ことが大前提であるが、高校野球では仮に観客が誰一人居なくても必死で戦いをするのだ。大人たちの現代社会に無いその姿勢を見たいがために高校野球を見てしまう人も多いのではないだろうか。
最後、第三の理由は、「機敏さ」が見られるからだろう。よくプロ野球はだらだらしている、という批判が多いが、これは高校野球に対してのことであろう。実際、選手たちは攻守交替の際など全力疾走でベンチを往復する。決勝戦1日目が延長15回で決着がつかず、相当疲れているはずの選手たちでさえ試合終了後、アルプス応援席に礼をしにいくのに走っている姿が放映された。この姿に心打たれたファンは多かったのではないか。
そもそも野球はサッカーなどに比べ、練習のときからオフプレーの際でも機敏な動きを要求する指導がなされている。これは日本独自の「恥ずかしくないよう」という精神から来る習慣であり、対戦相手から観客に至るまでチームとして成熟しているかを示す重要な要素と見られる。しかし、残念ながらこの姿勢はせいぜい大学野球までであり、現代のプロ野球では見ることが出来ない。そんな日本の良き精神の部分が見られるのが高校野球の醍醐味であろう。
2006年はFIFAワールドカップが開催され、日本は無残にも世界との力の差を見せつけられた。主力の選手たちはいわゆる現代っ子であり、国のために戦うという“古い”姿勢ではなく、極めてスマートな戦いのスタイルであった。そんな時代にあって、いまだ高校野球は良き指導者たちのお陰で“古い”良き伝統を受け継いでくれている。これからも高校野球が面白いものであり続けるために、今の古き良きスタイルを崩さない風潮を皆で守っていきたい。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 生田智
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