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英語を喋れない「アメリカ人」が増えている (上)

英語を喋れない「アメリカ人」が増えている (上)
閉店したシルバーパレスの前で出会った中国人。英語は全く通じなかった。(2003年撮影:工藤明子)
【PJ 2006年08月18日】− ニューヨーク・タイムズ・オンライン版が15日、2000年に行われた国勢調査の結果を発表した。ニューヨーク市の外国生まれ移民とその子供の割合は増え続けており、総人口の60%となっている。白人層は350万人から340万人へ10万人減、黒人層も210万人から200万人に減、代わりに増えているのがラティーノで、210万人から220万人に増え、アジア系も78万強から92万人強へ増えている。

 これがどういう意味を持つか。毎年何10万人もの移民が世界中から押し寄せるアメリカの国としての統一感が崩れなかったのは、英語という言語と、建国の理念と米国流の価値観が意味を持っていたからだが、それがラテン系移民の大量流入で変わりつつあるとサミュエル・ハンチントンは「分断されるアメリカ」で憂えている。

 違和感を抱いたのは1981年のニューヨークだった。ハンバーガーの出前を頼むと配達のラティーノの男性がスペイン語でまくし立てるのだ。スペイン語はわからないと言ってもお構いなし。勘定書きの金額とチップを渡したが、どうして彼は英語を話そうとしないんだろうと不思議にも不快にも思った。私が職探しをしている時には英語が必須だった。ベビーシッターの口でさえ、下手な英語で話すと「英語が話せるようになったら電話しなさい」と冷たく言われたのだ。

 90年代に入ると街のあちらこちらでスペイン語の広告や、英語と併記されたチラシを目にするようになり、かつてはラティーノはビザの出やすいプエルトリコ人と同義語だったが、小柄で黒い目をしたメキシコ人が増えているのが見てとれた。彼らの多くは英語を話さない。話せなくてもスペイン語が通じるコミュニティで仲間と生活できてしまうのだ。数の威力である。そういった彼らの先輩に中国人がいる。英語のエの字もわからず、マンハッタンという地名も知らず、ただひたすら親類を頼ってJFKに到着した中国人に出会った事がある。

 チャイナタウンにも英語が話せない中国人が多くいる。英語も、もちろん日本語も通じない中国人の仕立屋とコミュニケートする手段として漢字での筆談を用いたが、メキシコ人ではその方法も使えない。それならメキシコ人とは関わり合わないで生きていけばいいのだが、そうもいかない状況が生まれている。【つづく】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 工藤 明子【 東京都 】
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