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儲かってま〜関西商店街繁盛記(下)

儲かってま〜関西商店街繁盛記(下)
錦市場は年中「ホコ天」である。見るだけでも楽しい店が並ぶ。アーケードの天井も、最近リニューアルした。京都で行かない場所はあっても、錦に来ない観光客は少ないのだ。(撮影:今藤 泰資)
【PJ 2006年08月17日】− (中)からのつづき。錦市場商店街は、「京の台所」としてつとに有名だ。「錦ブランド」の商品は全国に流通しており、わが国を代表する商店街の一つである。錦小路は南北に通じる高倉通りと、寺町通りを東西に結び、現在およそ110数軒の商店が軒を連ねている。さすがにその歴史は古く、市場としての体裁は天正年間、豊臣秀吉が天下統一を果たした後とされている。

 京の中心地のため商店が集められた以外の理由として、清れつな地下水に恵まれていたことが上げられる。魚や鳥の保存や加工処理に適していたのだろう。また、「鯖街道」によって運ばれた若狭湾の海産物、琵琶湖や淀川で採れる淡水魚などのほか、北前船からの昆布やニシンによって特異な食文化が発達した。明治以降発展を遂げた東京には、昆布の文化やニシンの文化は希薄。錦市場を語る上で、異国の食材を応用する京の食文化を外すことはできない。

 あまり認識されていないが、わが国で唯一休日のない町が京都だ。東京や大阪、札幌や福岡などの都会には奇妙にも「盆暮れ」があって、ほとんどの小売店は休業になる。錦市場もその点では同様だが、隣接する京極寺町や河原町ではむしろ盆暮れが商売。錦市場の更なる特徴は、これら隣接する商店街との歴史的コラボレーションにある。錦は小路というから道幅は極めて狭い。だがそこは京町屋の商店。奥行きも食文化も実に奥深いのである。

 錦の商品特性は何といっても京ならではの品種の多さ。豆腐、ゆば、麩、昆布、塩干し、京野菜、漬物、うどん、玉子焼きなど多彩で雑多。とりわけ山崎あたりの筍や丹波産の松茸は季節の味。一流料亭では錦の「若狭湾の「ぐじ」(甘鯛)が好まれ、「はも」と並ぶ高級食材である。見るだけでも「ねうち」があるから、他県の観光客や外国人以外にも修学旅行生の観光スポットになっている。京極に出た高校生たちはついでに出かけた錦に興味を示すのだ。

 だが課題も少なくない。商店街としての名では全国制覇を成し遂げた錦市場での欠点は小売り価額の高さ。京都に住む身内は「錦なんかで買い物、ようせんわ」とぼやく。なるほど品数は多い。質的にも上品で高級なのは間違いないが、市内客をアテにしなくなったではないかと心配する声さえある。また、食品市場にスニーカーの店が有ったり、小路のど真ん中にフランス風レストランなど、どうも似つかわしくない。河原町通りに「ルイビトン」や「ナイキ」が出店したりする時代。仕方ないかも知れないが、何より「京の味」が失われるのではと危惧している。錦市場の今後の踏ん張りに期待したいものだ。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 今藤 泰資【 茨城県 】
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