“何かヘンだぞ!JR” グリーン車編
2006年08月15日14時28分 / 提供:PJニュース
JRの列車には、グリーン車と呼ばれる車両が連結されている路線がある。通常の運賃に加え、グリーン料金を支払わないと乗車できない車両である。JR東日本の場合、グリーン料金は、平日▽乗車前に支払えば、50キロの区間までが750円、51キロ以上は950円。▽乗車後、車内で支払うと、50キロまで1000円、51キロ以上は1200円もする。
通常の運賃をも上回る金額を加算しなければ乗ることができない「特別な車両」なのである。こうした車両の差別化は、おそらく旧国鉄時代の、それもかなり大昔の時代に、車両に等級を設けていたことの名残として今日まで引き継がれているものと思われる。だが、厳然として階級社会、貧富の差が存在していた時代と違い、グリーン車を利用する乗客は大金持ちとは限らない。むしろ、普通車両の混雑を避けるためやむを得ず乗車する通勤客や、確実に座るため乗車する高齢者の方がはるかに多いはずである。
では、グリーン車は、高額な料金を支払ってまで乗るほど価値のあるすばらしい車両だろうか。座席はリクライニングシートで、ゆったりとした作りになっている。停車駅ごとの乗客の出入りは少ない。室内がちょっときれいな気がする。数十分の乗車で感じるのは、その程度である。
一方、グリーン車にはデメリットを感じる部分も少なくない。まず、JR東日本が増やす傾向にある2階建のグリーン車は階段が狭く急で、上の階に行くにも、下の階に行くにも、人とすれ違えない。また、座席のスペースを広く取った分、通路もとても狭い。つまり、車いすやベビーカーの乗客は、「はじめからお断り」の構造なのである。2階建構造になっていないスペースも一部あるが、席数は圧倒的に少ない。お年寄りや体が不自由な乗客に優しいとは言いがたい車両であることを指摘しなければならない。
構造上のことで言えば、2階建車両の両端のデッキにしかドアが無いため、車両火災など万が一のときには、狭い通路と狭い階段に乗客が殺到してパニック状態に陥ることが容易に想像できる。もちろん、窓は開かない構造になっているのである。防災上は、ドアがたくさんある普通車両の方が車外への脱出のチャンスは多いと言えそうである。
さらに、首都圏近郊の路線のグリーン車は原則的に自由席である。グリーン料金を支払ったからといって、必ずしも座れるわけではない。しかし、乗ってしまったら、払い戻しもできない。デッキに立っていようが、通路に立っていようが、グリーン料金は支払わなければならないのである。
年老いた両親を座らせてあげたいと思った子どもが、わざわざグリーン料金を支払っても、到着した電車のグリーン車がすでに満席だったら、その両親は狭い車両の中に立ち続けなければならない。なにしろ、グリーン車にはシルバーシートが見当たらないのである。だったら、満員状態の普通車両に乗り込み、シルバーシートを探した方が、ましかもしれない。
あらためてグリーン車の現状を見てみると、結局のところ、「グリーン車」が誰のためのものなのか、いよいよ判然としなくなる。JR東日本は、前述のとおり、グリーン料金に“事前料金”と“車内料金”を設けているほか、“平日料金”と“ホリデー料金”を設けるなどして、なんとか割安感を演出し、利用客の増加をねらっているようである。
しかし、その車体構造や料金設定からは、あくまでも「金持ちの健常者」の利用を前提とする旧態依然としたJRの発想が見て取れるのである。【了】
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通常の運賃をも上回る金額を加算しなければ乗ることができない「特別な車両」なのである。こうした車両の差別化は、おそらく旧国鉄時代の、それもかなり大昔の時代に、車両に等級を設けていたことの名残として今日まで引き継がれているものと思われる。だが、厳然として階級社会、貧富の差が存在していた時代と違い、グリーン車を利用する乗客は大金持ちとは限らない。むしろ、普通車両の混雑を避けるためやむを得ず乗車する通勤客や、確実に座るため乗車する高齢者の方がはるかに多いはずである。
では、グリーン車は、高額な料金を支払ってまで乗るほど価値のあるすばらしい車両だろうか。座席はリクライニングシートで、ゆったりとした作りになっている。停車駅ごとの乗客の出入りは少ない。室内がちょっときれいな気がする。数十分の乗車で感じるのは、その程度である。
一方、グリーン車にはデメリットを感じる部分も少なくない。まず、JR東日本が増やす傾向にある2階建のグリーン車は階段が狭く急で、上の階に行くにも、下の階に行くにも、人とすれ違えない。また、座席のスペースを広く取った分、通路もとても狭い。つまり、車いすやベビーカーの乗客は、「はじめからお断り」の構造なのである。2階建構造になっていないスペースも一部あるが、席数は圧倒的に少ない。お年寄りや体が不自由な乗客に優しいとは言いがたい車両であることを指摘しなければならない。
構造上のことで言えば、2階建車両の両端のデッキにしかドアが無いため、車両火災など万が一のときには、狭い通路と狭い階段に乗客が殺到してパニック状態に陥ることが容易に想像できる。もちろん、窓は開かない構造になっているのである。防災上は、ドアがたくさんある普通車両の方が車外への脱出のチャンスは多いと言えそうである。
さらに、首都圏近郊の路線のグリーン車は原則的に自由席である。グリーン料金を支払ったからといって、必ずしも座れるわけではない。しかし、乗ってしまったら、払い戻しもできない。デッキに立っていようが、通路に立っていようが、グリーン料金は支払わなければならないのである。
年老いた両親を座らせてあげたいと思った子どもが、わざわざグリーン料金を支払っても、到着した電車のグリーン車がすでに満席だったら、その両親は狭い車両の中に立ち続けなければならない。なにしろ、グリーン車にはシルバーシートが見当たらないのである。だったら、満員状態の普通車両に乗り込み、シルバーシートを探した方が、ましかもしれない。
あらためてグリーン車の現状を見てみると、結局のところ、「グリーン車」が誰のためのものなのか、いよいよ判然としなくなる。JR東日本は、前述のとおり、グリーン料金に“事前料金”と“車内料金”を設けているほか、“平日料金”と“ホリデー料金”を設けるなどして、なんとか割安感を演出し、利用客の増加をねらっているようである。
しかし、その車体構造や料金設定からは、あくまでも「金持ちの健常者」の利用を前提とする旧態依然としたJRの発想が見て取れるのである。【了】
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
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