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「ニューヨーク・タイムズ」から見る日本の終戦

「ニューヨーク・タイムズ」から見る日本の終戦
「私は、日本政府が、『ボツダム宣言受諾の用意あり』をアメリカ側に通告したあとの8月1日から15日にかけての『ニューヨーク・タイムズ』をコピーして持っている」と話す小田実氏。14日、大阪市立弁天町市民学習センターにて(撮影:渡辺直子)
【PJ 2006年08月15日】− 兵庫県西宮市在住の作家で「市民の意見30・関西」代表の小田実氏が14日、「8・14と九条」と題した講演会を、大阪市立弁天町市民学習センターで開いた。

 講演で小田氏は、1945年8月14日の大阪大空襲で、自身が受けた戦争体験を語ったうえで「大阪には、艦戦機は来なかったが、B29爆撃機が、何百機と来て、1トン爆弾を投下し、同時に、戦争終結のビラを上空から撒いた。この空襲で、多くの市民が死んだ。いや、殺された。いったい、彼らは、何のために殺されたのか、歴史を紐解きながら、考える必要がある」と話した。

 さらに小田氏は「たいてい、今の歴史書に書かれている、日本政府が、『ボツダム宣言受諾の用意あり』をスイスなどの中立国を通じて、アメリカ化側に通告し、そこに『国体の護持』という条件をつけた。『国体の護持』とは、天皇制の維持である。さらに言えば、天皇とその家族の身の安泰の保証である。しかし、アメリカは、その条件の要請に一切回答しないで戦争を継続。8月14日に至って、ついに、御前会議で天皇は、『わが身はどうなろうと、国民の苦難は見るに忍ばず』とボツダム宣言を正式受諾。戦争の終結を『ご聖断された。』という記述は、果たして真実なのか」と、歴史書の内容に疑問を呈した。

 小田氏は日本政府が「ボツダム宣言受諾の用意あり」をアメリカ側に通告したあとの1945年8月11日、12日、13日の「ニューヨーク・タイムズ」で報じられた内容を、集会に参加した市民らに解説した。

1945年8月11日付け「ニューヨーク・タイムズ」
 タイムズ・スクエアで勝利の喚声をあげる群衆の写真の上の一面三行の大見出しの一行目「JAPAN OFFERS TO SURRENDER」(日本は、降伏を申し出る)の下二行には、同じ大きさの文字で、「U.S. MAY LET EMPEROR REMAIN」(アメリカは、天皇を残すだろう)。三行目は、「MASTER RECONVERSION PLAN SET」(主要復興計画決定)とあるが、三行目は、その計画に天皇の存在が必要だと示唆する見出しだ。

8月12日付けの「ニューヨーク・タイムズ」
 トップ三行の大見出しの一行目は、「ALLIES TO LET HIROHITO REMAIN」(連合国は、ヒロヒト存続を決定)とあって、ここでは前日の大見出しにあった「MAY」(だろう)が落ちている。二行目、三行目は「SUBJECT TO OCCUPATION CHIEF」(占領軍司令官の意向による)、「M’ARTHUR IS SLATED FOR POST」(マッカーサーが、その地位に予定されている)だ。

 これで天皇の身の安泰、天皇制の存続を含めて、アメリカの戦後日本の統治政治の全てが決まった感がある。もちろん、こうしたことは、すべて中立国を通じて、日本政府、そして天皇に伝えられていたはずだ。天皇は、わが身はどうなろうというのではなかった。その安泰は、すでに保証されていた。しかし、日本政府は、まだボツダム宣言の正式受諾、降伏をしぶっていた。ついに、アメリカは強硬手段をとることを決める。

8月13日付けの「ニューヨーク・タイムズ」
 三行目の大見出しは、「ALLIES TO LOOSE MIGHTY BLOWS ON JAPAN」「IF SURRENDER IS NOT MADE BY NOON TODAY」「CARRIER PLANES RENEW TOKYO ATTACKS」(連合国は、日本に、強力な打撃を加える)(本日正午までに降伏がなされない場合には)(艦戦機が東京に対して攻撃を新しく開始)だ。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 渡辺 直子【 兵庫県 】
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